国の「35歳以下」に疑問の声も

今回の国のモデル事業では対象を原則35歳以下としている。しかし、この年齢設定について疑問を呈する自治体もあった。

東京都では39歳以下を対象とした助成制度を実施しており、利用者の中には30代後半の女性も少なくない。

アンケートでは、「36歳以上の女性からも相談が寄せられている」「現場のニーズと制度設計にずれがある」といった指摘があった。

卵子の質や妊娠率を考えれば若い年齢での凍結が望ましいという医学的な考え方がある一方、結婚や出産をめぐるライフプランは人それぞれだ。

実際に制度を利用したいと考える女性の年齢層と、国が想定する対象年齢との間にギャップが存在している可能性もある。

FNNが5月に実施した世論調査では、「35歳まで」との国の線引きについて、「妥当だ」と回答した人=48.4%が、「妥当ではない」と回答した人=42.4%を、やや上回った(「分からない・答えない」は9.2%)。

国が始めるモデル事業は、自治体のニーズをうまく捉えられているのか、どのような支援が必要なのか、今回の私たちのアンケート調査が、その議論の出発点となってほしい。
(調査報道統括チーム 阿部桃子)

阿部桃子
阿部桃子

フジテレビ報道局 記者。2017年慶應義塾大学法学部卒業後、フジテレビ入社。2019年から6年間、政治部官邸クラブ・平河クラブで安倍元首相や河野元規制改革相、茂木前幹事長などを担当。2025年から新設された「調査報道統括チーム」に所属。1994年福岡市生まれ。