生き残りをかけ新たな業態へと転換
新型コロナで厳しい状況が続く外食産業。以前より外食を控える傾向が強まるなか、九州内の飲食各社でも人員削減などリストラを進める企業も出ている。
生き残りをかけて新たな業態へと転換しようとする居酒屋チェーンを取材した。
午前4時の福岡市西中洲。
取り外されていたのは居酒屋「しょうき」の看板。夜が明けるとともに店内の厨房機器などが次々と運び出されていく。
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しょうき企画 長瀬満営業本部長:
10年前から営業して、コロナでどうにもならなくて、閉店する形になりました。1日のお客さんが10人とか、それぐらいの客しか来て頂けなくて、全く営業できない状態
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西中洲で10年。積み上げてきたものが失われるのは、一瞬…
居酒屋チェーンにとって新型コロナの影響はいまだ大きく、これからの忘年会シーズンを前に窮地に立たされている。
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福岡県内で居酒屋を中心に13店舗を運営する「しょうき企画」。一時期に比べ、福岡県内の新規の感染者数は少なくなってきているものの、客足は戻らず、居酒屋事業の好転は全く見通せない状況が続いている。
しょうき企画 渡邉司社長:
平日に関しては全然戻りがない。皆さん50%くらいじゃないですか? 今後もウイルスは続くと思うんで大きい宴会はもう不可能だと思います
大規模な宴会は不可能と言わしめる新型コロナの影響。そんな中、渡辺社長が打ち出した秘策とは。
しょうき企画 渡邉司社長:
郊外に関してはアルコール比率の高い店はやめていく「脱居酒屋」を掲げました。(コロナで)飲み方は変わるし、飲む人数は変わるし、今、一人飲みじゃないですか。自分たちが変わらないとダメですよね
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掲げたのは「脱居酒屋」。早速、「脱居酒屋」を実践したという店舗を案内してもらうことに。
8月末、居酒屋「しょうき」から業態を変更したのは2頭の牛がトレードマークの「九重珈琲」。
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店内に入ると、木の香りが漂うゆったりとした空間が広がる。この店一番のおすすめメニューは九重高原定食。
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たっぷりのデミグラスソースがかかった熱々のハンバーグに加え、大分県九重町の農家などから直接仕入れる新鮮な野菜が山盛りのサラダが食欲をそそる。渡邉社長が九重町の食材に惚れ込んだことが店名の由来だということだ。
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女性客:
サラダもめちゃくちゃボリュームあってドレッシングもすごい美味しくて
女性客:
おしゃれな所がいいですよね。インスタのストーリーにあげます
ランチタイムは毎日ほぼ満席で、女性客や家族で訪れる客を取り込むためデザートメニューも充実させている。
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ランチを楽しむ客に夜の飲み会について聞いてみると。
女性客:
飲み会はめっちゃ減りました
女性客:
無いですね全く無い。あんまり出ない。家飲みが多いですね
「しょうき企画」は、この店舗以外にも、居酒屋を改装し、エビの食べ放題が売りの「えびえび食堂・えび八本」を展開。売り上げは居酒屋時代と比べ2.5倍に増えた。
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今後、渡邉社長が描く未来の「しょうき」とは?
しょうき企画 渡邉司社長:
アルコールに頼らない飲食店を目指そうと郊外(の居酒屋)は切り替えていく。「しょうき」という名前には愛着がありますけど、名前だけでは商売できないので。一旦、看板を下げたように見えるけど、新しいことに取り組んでいくということですね
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新型コロナで変化した飲み会のスタイルに合わせて、居酒屋も姿を変えていかざるをえないのが現状のようだ。この業態変化の流れは、全国規模で進んでいる。
居酒屋チェーン「ワタミ」は、全国の居酒屋の3割にあたる120店舗を2022年の3月末までに「焼き肉店」変える予定だ。「焼き肉の和民」は、既に関東でオープンされている。
また地鶏の料理で有名な居酒屋「塚田農場」については、全国にある100店舗を今後10年かけて定食の「つかだ食堂」など、順次リブランディングしていくことにしている。
居酒屋チェーンの業態変化の争いは加熱していきそうだ。
(テレビ西日本)