30~40年前は外で購入できる飲料といえば缶が主流で、その場で飲み切るしかありませんでした。キャップを閉め直して持ち運びができるペットボトルが普及してからは、こうした飲料の腐敗は起きやすくなっていると言えるかもしれません。

菌を増やさない工夫

夏場の飲み物の菌の増殖を防ぐ一番の対策は、「直飲みをしないこと」です。いくら気をつけて飲んでも、口の中の菌が飲み物に逆流するのは防げないため、コップに移して飲むのが安全性が高い方法です。

ペットボトルの飲料も、コップに移して飲める環境ならそうするのが安全です。ただ、そんなお行儀のよい飲み方が難しい場面は多いでしょうから、容量の小さなものを購入して、できる限り早く飲み切るようにするのも一案です。ペットボトルではなく缶の飲料を買って、その場で飲み切ることを意識するのも良いでしょう。

(イメージ)
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水筒も最近は直飲みタイプのものが増えていますが、夏場は「取り外したキャップがコップになるタイプ」のほうが安全性は高いといえます。なお、保温機能の優れた水筒は、飲料が冷たい状態=菌が増殖しにくい状態を維持しやすいため、ペットボトルと比較すると菌の増殖を抑制することができます。

菌の増殖を左右する最も大きなファクターは温度です。飲み物についても同様に、10℃程度まで冷やせば菌はほとんど増殖しません。「冷たいものは冷たいまま持ち歩くこと」を意識することが大切です。

小関 成樹(こせきしげのぶ)
北海道大学大学院農学研究院 食品加工工学研究室 教授。博士(農学)。

構成=古澤誠一郎

小関成樹
小関成樹

北海道大学大学院農学研究院 食品加工工学研究室 教授。博士(農学)。
北海道大学農学部卒、同大学院で博士(農学)取得。食品総合研究所や農研機構で研究員・主任研究員を歴任し、タスマニア大学客員研究員も経験。2013年より北海道大学准教授、2020年より同教授。食品微生物分野で国内外の委員・学会役員を務める。