中東情勢の悪化で不足が懸念されているのが、ナフサ。原油を精製して作られる石油製品の一種で、高温で分解するとエチレンなどの基礎化学品ができ、そこから最終的に衣料やポリ袋など身近な製品に加工される。生活に欠かせないものだが、供給を心配する声はこれからシーズンを迎えるフルーツの生産者からも聞かれた。
フルーツ王国ふくしまのトップバッター“サクランボ”。収穫を間近に控える「まるえ観光果樹園」では、サクランボ以外のフルーツも順調に育っているが、“異変”は販売や発送に欠かせないプラスチック製品に起きていた。
まるえ観光果樹園の服部栄さんは「パック類も6月あたりから20%から30%上がるという情報が来ている。サクランボとかブドウとかモモの値段というのは、そんなに変わらない。上げることもできないし、なかなかそういうところで苦慮している」と語る。
原因は中東情勢の悪化で“ナフサ”が届きづらくなり、資材が高騰したこと。
また3年前からは、暑さ対策でより熱を吸収しやすいナフサ由来の反射シートを使っていて、こちらも供給が不安定にならないか心配している。
服部さんは「中東情勢が早く落ち着いて、価格も安定してもらわないと、我々農家も大変だと思います。早めに収束していただきたいなと思っています」と話した。
ナフサ不足の影響は、果樹農家以外にも福島県内の様々な産業に波及している。
帝国データバンク郡山支店のまとめによると、ナフサ関連の取引がある企業は、福島県内の製造業の約3割を占める615社に上っている。
今後、供給制限などが続けば中小企業の経営を圧迫し、生活にも影響を及ぼす恐れがあるとしている。
また、福島県は小規模事業者を中心にナフサを原料とするシンナーや塗料の仕入れが難しくなっていて、工期に遅れなどが出ていることを確認している。
福島県の経営相談窓口には、5月19日時点で25件の相談が寄せられていて、今後の動向に注視が必要だ。