税理士法人マッチポイント(札幌市)は、若手税理士とスタッフが中心となり、中小企業の成長を支援する税理士事務所です。2019年の創業以来、税金計算にとどまらず、売上向上や経営課題の解決まで踏み込んだサポートを展開。2023年には税理士法人同士の統合を実現し、現在約100人体制で北海道の企業を支えています。代表税理士の植島悠介さんに、税理士の新しい役割と北海道活性化への取り組みについて聞きました。

――マッチポイントは一般的な税理士事務所とどう違うのですか。
 「皆さんがイメージする税理士事務所は、税金を計算して『これを払ってください』という仕事だと思います。私たちはそのもっと手前で、どうやったら売上が上がるか、どうやったらお金が残るか、どうやったら会社が大きくなるかにフォーカスして支援しています」


村から街へ――リーマンショックが教えた税理士の使命

――ご出身はどちらですか。
 「新篠津村の米農家で、長男として生まれました。幼少期は農業を手伝っていましたが、高校進学で江別市に出て、街の楽しさを知ってしまって。この街との関わりをずっと持ちたいと思い、農業から離れる道を選びました。高校卒業後は大原簿記情報専門学校に進学しましたが、1年目は街が楽しくて遊んでばかりで、資格を1つも取れませんでした。何も得ていない自分を見て、このままではまずいと思い、親にお願いしてもう一度専門学校に入り直しました。朝7時から夜10時まで、土日祝日も全て勉強する生活に切り替えました」

――専門学校卒業後はどのような道に進んだのですか。
 「最終学年に臨時講師として来ていた方が税理士事務所を開業されて、そこに誘われて新卒で入所しました。ただ、2008年はリーマンショックの年で、大不況でした。世の中は赤字の会社ばかりで、税金の話は一切出なくて、どうやったらお金を借りられるか、どうやったら会社が生き残るかという相談ばかりでした。一番最初に担当したお客様の最初の相談が『どうやったら自己破産できますか』でした。非常に衝撃でしたが、税金の計算だけでは会社は助けられない、会社が生き残るため、やりたいことを実現するために私たちは存在しているのだと、その時に強く思いました」

――そこからどんな思いが芽生えていったのですか。
 「うちの事務所に転籍してきた方からよく聞くのが、『前の税理士にあれもこれもダメと言われた』という話です。でも私は違うと思っています。単純にダメと言うのではなく、やりたいことがあるなら、それをかなえるために何とかするのが私たちの仕事です。売上を1.5倍にするにはこれが必要、100円値上げしてはどうか。そういう関わりで会社が大きくなっていく。その支援こそが私たちの使命だと強く思うようになりました」


税理士法人の統合が切り拓いた新たな可能性

――代表税理士になった経緯を教えてください。
 「税理士事務所は5人から10人規模が平均です。でも北海道には13万社以上の会社があって、そのままでは多くを支援できないと思いました。規模化を図ろうと組織再編を進め、税理士法人フューチャークリエイトという名前で代表になって再スタートしました。ただそれでも追いつかず、もともと仲良くしていた税理士法人マッチポイントと2023年に統合しました」

――税理士法人同士の統合は簡単にできるものですか。
 「2019年から毎月1回、両社の主要メンバーが会って一緒に研修を受けていました。顔見知りで仲も良かったのです。それに、北海道13万社のうち、私たちは1パーセントもシェアを取れていません。お客様が被ることもない。ライバルというより、一緒に大きくなろうという意識が強かったのです。北海道を盛り上げる時間をもっと短くしたいと思い、統合を決めました」

――統合の効果は実感していますか。
 「かなりあります。もともと50人の事務所と30人の事務所が一緒になって80人になりました。単に合わせただけでなく、掛け算で今までできなかった事業ができたり、お客様への提供スピードが上がったりしています。うちは分業制で、業務ごとに担当がいます。人数が増えると対応部署を増やせて、より広い範囲でお客様を支援できるようになりました」


「なんとかする会社」が掲げる諦めない姿勢

――今、力を入れていることは何ですか。
 「会社のスローガンは『なんとかする会社』です。いろいろなお客様のお困り事にきちんと寄り添って対応することに力を入れています。会社のカルチャーの中に『圧倒的当事者意識』があります。社内の別部署のことも、お客様で起こっている出来事も自分事として捉える。そうすれば、なんとかするためにより考えるようになります。すぐに諦めず、マッチポイントがお困り事を解決する。それを大切にしています」

――ボスとして大切にしていることは何ですか。
 「諦めないことです。リーマンショックの時に働き始めて、当時助けることができなかった会社を、今の自分なら多分助けられると思っています。当時は知識もスキルも足りなかったのもありますが、どこか諦めてしまったから助けられなかったのではないかという思いもあります。諦めずに、お客様の願いをかなえる、やりたいことを一緒に応援することがすごく重要だと思っています」


4年で北海道ナンバーワン、そして儲かる北海道へ

――これからの目標を教えてください。
 「社内では『あと4年で北海道ナンバーワンになる』と言っています。測れる指標としては人数です。具体的には180人ぐらいにしたいと思っています。ちなみに今は約100人いますが、そのうち税理士は4人だけです。税理士じゃないとできない仕事は税金の申告など限られています。売上を1.5倍にしましょう、ランチの金額を100円上げてはどうですか、というアドバイスに税理士資格は必要ありません」

――北海道の将来についてはどう考えていますか。
 「北海道が一番儲かっている地域だよねと言われたいです。北海道に行けば儲かるようになるよねと全国の企業に言われるようになりたい。そのために私たちがまず大きくなって、関わる会社を増やしていく。関わった会社の利益が上がって、北海道が盛り上がって、北海道に行けば儲かるよねと言われる世界を作れるのではないかと思っています」

北海道の活性化を目指すボス達と北海道の未来と経営を楽しく真剣に語り合うUHB「#BOSSTALK」(ボストーク)。廣岡俊光キャスターがBOSSの本音に迫ります。

北海道文化放送
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