親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる慈恵病院の『こうのとりのゆりかご』。昨年度の預け入れは7人、前の年度の半数でした。そして、開設から19年間の総数は200人となったことがきょう発表されました。

(25日/要保護児童対策地域協議会)
【熊本市こども家庭福祉課 船津 真理亜 課長】
「令和7(2025)年4月1日から令和8(2026)年3月31日までに『ゆりかご』には7件の預け入れがありました」

熊本市の発表によりますと、昨年度の預け入れは7人。14人だった前の年度の半数でした。開設から19年間の累計は200人です。

ゆりかごに預け入れた人の居住地は『不明』が5人、中国地方が1人、そして『国外』が1人でした。国外からの預け入れは2015年度以来となります。

昨年度、熊本市が戸籍を作成したのは5人。

慈恵病院によりますと、昨年度、東日本からの預け入れはなかったということで、蓮田 健 理事長は去年3月、東京の賛育会病院が取り組みを始めたことで預け入れが分散した可能性を指摘しました。

そして、この19年間の預け入れの背景について述べました。

【蓮田 健 理事長】
「『相談くらいできるだろう』『病院くらい受診できるだろう』と言う人が多くいると思う。(預け入れた)女性たちには発達症、境界知能を背景に相談が苦手という特性があり、最大の問題は愛着障害。この女性たちが親から愛され、慈しまれて育ち、(親からの)虐待や過干渉がなければ、こんなことにはならなかったという事例ばかりだった」

出産の場所は『医療機関』は0、『自宅』が最も多く5人、『不明』が2人でした。

ゆりかごまでの移動手段は『新幹線など鉄道』が3人、『車』が2人、『不明』が2人。

赤ちゃんの年齢は7人のうち6人が生後1カ月未満の『新生児』、1人が『生後1年から就学前の幼児』でした。

母親の年齢は『20代』が2人、『10代』『30代』がそれぞれ1人、『不明』が3人。

婚姻状況は『未婚』が4人で、『不明』が3人でした。

預け入れた理由は、複数回答で『生活困窮』が4人、『未婚』が3人、『世間体・戸籍』が2人、『パートナーの問題』『養育拒否』『育児不安・負担感』が1人ずつなどでした。

子どもの父親については『不明』が4人、『別の妻子あり』が1人、『その他恋人等』が1人などとなっています。

25日、熊本市の大西市長もコメントを発表。「孤立出産や出産直後の長距離移動に伴う母子の生命の危険などの課題は依然として残されている。運用開始から19年が経過し預け入れられた子どもたちが自らのルーツを求める機会が増えてくることも考えられる。こどもたちの思いに丁寧に寄り添った対応を進めてまいりたい」などとしています。

テレビ熊本
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