栗原市でジムを経営する後藤聡さん(47)。元消防士でもある後藤さんは、岩手宮城内陸地震や、東日本大震災の発生時救助活動にもあたりました。
去年、この番組で「体力が無ければ命は守れない」と、体力づくりの大切さを訴えましたが、その放送からわずか20日後、白血病と診断されました。
8か月の入院生活を経て変化した思いがあります。

「今、自分の中で命がいつどうなるかわからないという毎日を過ごしています」

栗原市に住む、後藤聡さんは元消防士で、現在は、栗原市・登米市・石巻市で4店舗のフィットネスジムを経営しています。

消防士時代には、岩手宮城内陸地震・東日本大震災が発生、救助活動も行いました。17年間の消防署勤務、多くの命と向き合う中で、強く感じたのは「体力づくりの重要性」です。

「消防署が忙しくなってきた。なぜ忙しくなるかと言うと健康づくりが上手にできていない。消防署の手前の仕事として、健康づくりを提供しようと思って、ジムを作りました。」

去年8月、この番組で放送した映像です。ジムには今まで運動習慣の無かった地域の高齢者も通うようになり、自らも体力づくりについて指導を行っていました。

「今は全然痛みも無くなって、来ている方が調子いいです。」
「感謝です。感謝しかないです、後藤さんには」

しかし、この放送からわずか20日後。後藤さんは急性リンパ性白血病と診断されました。

梅島三環子アナウンサー
「なんで白血病とわかったんですか?」
後藤聡さん
「最初はトレーニングをしていて過度な息切れ。ただし『年のせい』と思っていました。そこから、入院する直前に痔ができた。その痔が痛くて、肛門科の先生を受診したところ別な病気を疑った方がいいということでわかりました」

入院生活は、8か月に及びました。
食べることも、体を動かすことも、家族や仲間と会うことも出来ない日々。当たり前だった日常が突然奪われました。

過去には、ボディビルの大会で優勝した経験もある後藤さん。
8か月の入院で、筋肉は11キロも減りました。

白血病を発症する直前、後藤さんは体づくりをの大切さを元消防士の視点からこう話していました。

後藤聡さん
「筋トレは最強の防災と言っていて、体が健康でないと逃げられない。もっと言うと、いろいろな助けができなくなる。なので体づくりは、一番の備え。そこが根底にある考え」

闘病を経て、その考えも変わりました。

後藤聡さん
「もし体の備えをしていなかったら、今、ここにいなかったかもしれない。体の備えは、病気をした時にも生かせることがわかりました。」

「守るため」の体力は「生きるための備え」へと変わりました。

退院から一か月。再発への不安を抱えながらも毎日の筋トレと1日2時間の有酸素運動で体力の回復に励んでいます。
そんな後藤さんには今、果たしたい約束があります。

後藤聡さん
「(去年の)8月25日に入院して、授業は9月1日にする予定でした。」

去年の放送を見て、後藤さんの思いに共感した小学校の先生から、「防災と体づくり」についての授業を依頼されていたのです。
後藤さんが白血病にかかったことで、予定されていた授業は中止となりましたが、今回改めて、子供たちに向けた授業を行うことになったのです。

石巻市立開北小学校 檜垣篤典先生
「消防士は、体を鍛えている。自分の命のためではなく人の命を助けるために体を鍛えている。体を鍛えて自分の命を守ると子供たちも繋がる(伝わる)のではないか」

元消防士として、そして体づくりのプロとして。闘病を経た今だからこそ、子供たちに伝えたいことがあります。

後藤聡さん
「災害は地震や火事など自然災害をイメージすると思うが、病も災害と思っていいと思う。それを防ぐためには起きる前から備えておく。それは体を健康にしておくということに繋がる。そういった社会をみんなでやれた時に防災が強化されると思う。」

仙台放送
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