『高齢者』の定義を65歳から75歳以上に引き上げ、人手不足解消を目指す政策が、高市総理のもとで動き始めています。

「何歳になっても人と関わり、元気で働き続けたい」という願いが叶う食堂が兵庫県明石市にあります。その食堂は、なんと「全員が経営者」だといいます。

“最低賃金とボランティアのちょうど間”のシステムだという、シニアの新しい働き方を取材しました。

■最高齢はなんと86歳!

秦令欧奈アナウンサーが向かったのは、明石が誇る鮮魚の聖地、魚の棚商店街。

5月1日にオープンしたばかりの「明石魚の棚 街仲食堂 by ジーバーFOOD」。14人入れば満席というお店です。

お店に入った秦アナは早速皆さんに年齢を聞いてみることに。この日は60代から70代が多く、最高齢はなんと86歳!

おじいちゃん、おばあちゃんばかりのお店だから「ジーバーFOOD」なのです。

■「全員が経営者」の仕組みは

「経営者の方は?」と秦アナが聞くと、なんと全員が手を挙げました。

一体どういうことなのでしょうか。店の運営に関わるパートナー企業の山本八寸代さんに話を聞いてみると、その仕組みが明らかになりました。

【株式会社スピン 山本八寸代さん】「私たちの企業が採用しているわけではないんですよ。この場所を提供していて、売り上げの25パーセントをもらっている。1人1人が経営者となって、売上の一部を皆さんで分配する形なので、皆さんが経営者です」

つまり、月の売上が仮に100万円あった場合、まずパートナー企業へ25万円を支払い、残りの75万円から仕入れ代などを引いた利益を、全員で分配するという仕組みです。

兵庫県の最低賃金1116円を下回ってしまう可能性もある、いわば“最低賃金とボランティアのちょうど間”のシステム。それでも皆さんが“前のめり”で働く理由は何なのでしょうか?

■インスタ担当は74歳

インスタグラム担当を任されているのは、74歳の岩田美奈子さん。

【秦令欧奈アナウンサー】「編集とかは今までされたことあったんですか?」
【岩田美奈子さん】「いや、ゼロです。バズってる人のインスタを見て勉強して。どうやって集客に結び付けようかって」
【秦令欧奈アナウンサー】「すごい!」

自分が経営者だからこそ、工夫次第で給料も上がっていく。それが、皆さんを本気にさせているのです。

このお店が生まれた背景には、シニアが活躍できる場所づくりと地域活性化を目指す企業「ジーバー」と、明石市を拠点に介護事業を展開する「スピン」の思いが込められています。

■1番人気は手作りの「ネギみそ」

メニューは、2種類のおにぎりと豚汁のセットで1100円。新潟・佐渡産のコシヒカリを使い、のりや野菜は地元産にこだわっています。おにぎりの具材は全部で7種類、1番人気は手作りの「ネギみそ」です。

【秦アナウンサー】「ふわっふわだ〜。ちゃんとお米とお米の間に空気が入ってるのが分かるので、ふわっふわなんですよ。このネギみそのネギの食感、全部がたまらないです。完璧です。おいしすぎる!」

店内に入ると「おかえりなさーい」と迎えてくれるお店。
SNSでお店を知って訪れたお客さんも、この空気感に惹かれているようです。

【お客さん】「実家みたいな温かい気持ちになる」

ここにしかない“温かさ”が、お客さんの心をつかんでいます。

■“ミス”も“かわいらしさ”に

この日は、おにぎり2個セットを頼んだお客さんに1個だけ持ってきてしまうミスもありましたが…

【お客さん】「さっき、2個セット頼んだのに1個だけが来たりとか、そのへんも“かわいらしさ”かなと思ったんですよ。おばあちゃんが1個だけ持ってきて、『あら間違えた』みたいな。かわいいと思って」

このお店ではミスでさえ、お客さんからは“かわいらしい”と

営業時間は午前11時から午後2時までのわずか3時間。この日の目標は3万円で、売り上げは「32400円」で目標達成です!

開店してまだ半月のお店ですが、着実に地域に根を張り始めています。

■「今が1番幸せ。若い頃に戻った感じ」

閉店後は、差し入れのスイーツを食べながら恒例の“女子会”。

「今が1番幸せ。若い頃に戻った感じ」と笑顔で話す人もいました。

働くことで生まれるつながり、笑い、やりがい…お金の数字だけでは測れない価値が、ここにはあるのかもしれません。

(関西テレビ「newsランナー」 2026年5月22日放送)

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