2016年に長野県軽井沢町で、大学生ら15人が死亡したスキーバス事故で、業務上過失致死傷の罪に問われている運行会社の社長らの控訴審判決公判が、5月22日に開かれました。東京高裁は、事故を予測できたとする「予見可能性」を認めた一審判決を支持し、控訴を棄却しました。
2016年1月、軽井沢町の国道18号で、スキーツアーのバスがカーブを曲がり切れずに道路脇に転落し、乗客の大学生ら15人が死亡しました。
バス運行会社「イ―エスピー」(東京)の社長・高橋美作被告(64)と当時の運行管理者・荒井強被告(57)が業務上過失致死傷の罪に問われています。
2023年に開かれた一審の長野地裁は、「運転手が大型バスの運転に不慣れなことを認識しており、事故は予見できた」などと認定。
高橋被告に禁錮3年、荒井被告に禁錮4年の実刑判決を言い渡しました。
しかし、2人は一審判決を不服として控訴。
高橋被告は、「通常あり得ないブレーキ操作を行ったので事故は予見できなかった」などとして、改めて無罪を主張。
荒井被告も同様に無罪を主張しました。
一方、3月に開かれた公判では、亡くなった大学生5人の遺族が意見陳述し、「事故は、やるべきことをしていれば防げた。何をすべきかよく考えてください」などと述べました。
迎えた22日の控訴審判決。
大学生の遺族も、被害者参加制度を利用して裁判に参加しました。
高橋被告と荒井被告は、スーツ姿で入廷すると、検察側の席に座る遺族に一礼して席につきました。
東京高裁は、「運転に不慣れなことを認識しながら、技量の把握などを怠ったまま運転させることの危険性は明らかであり、事故の予見可能性を認めた一審判決に不合理なものはない」などとして、両被告の控訴を棄却しました。
判決を受け、傍聴した遺族が会見を開きました。
次男・寛さんを亡くす・田原義則さん:
「会社の責任を認めた一審の判決と同じ判断をいただけたことは素直に良かった。安心した。上告しないでほしいし、判決を受け止めてほしい」
長女・衣里さんを亡くす・池田彰さん:
「会社としてやるべきことをやってこなかったことを改めて裁判で認めてもらったので、予見はできないのではなく、しなければいけないということが、これからの社会に少しでも浸透することを願ってあの場にいた」