みんなと防災です。宮崎市南部の沿岸地域には、津波到達までに住民が避難できるビルや高台などがない地域があります。
加江田川から南の地域には青島、折生迫、内海、野島、小内海の5つの地区に土砂災害への警戒も必要な避難場所があります。
こうした場所を「特定避難困難地域」といいます。
宮崎市は津波避難タワーの整備の検討を含め対策の方向性をまとめた計画書を策定し公表しました。
宮崎公立大学の山下裕亮准教授と一緒に、津波と土砂災害両方のリスクがある宮崎市の野島地区に行ってきました。
宮崎市の野島地区。小さな入り江に沿って集落がありその背後には山が。津波だけでなく、土砂崩れの危険もある場所です。
(青島21区自治会 河野武嗣会長)
「この黄色い3カ所については、場所が急峻だったり、周りの土砂が崩壊したりとか、土砂災害の恐れがあると。宮崎市の調査によって、避難場所としてこのまま継続して使用するのはできないということで見直しをしていただいて、避難タワーの計画をいただいたところです」
宮崎市は、新たな津波避難タワーについて住民と協議し、野島地区の場合は国道220号沿いの村野島自治公民館周辺に建設することを検討しています。
(青島21区自治会 河野武嗣会長)
「ひとつの道路に面する施設ではなくて、国道・市道両方に面した場所であると、どちらかの道路が使えなくなったとしても、どちらかの道路でカバーできる。そういう地形的な環境も大事なのかなと思っているんですね」
(宮崎公立大学 山下裕亮准教授)
「防災の基本は、複数の策を事前に準備しておくことというのがいちばん重要。ひとつしか(策が)ないと、それで詰んじゃうとおしまいになってしまう」
県の津波浸水想定によりますと、野島地区では最大10メートル、最短16分で津波が来ることが予想されています。野島地区にはこれまで5つ一時避難場所がありました。2カ所は今後も使えますが、土砂災害のリスクが高い3カ所は「使用する際は要注意」という判定となりました。
(青島21区自治会 河野武嗣会長)
「(野島地区には)主に60代後半から80代の方が多くいらっしゃいますので、避難場所については、距離があるとなかなか避難は難しくなってきますし、中には補助的なサポートも必要な方もいらっしゃいますから」
河野さんが案内してくれたのは、狭く、険しい道。向かうのは一時避難場所として使ってきた場所です。急な坂道が続き、土砂崩れの危険があり「要注意」と判定されました。
(青島21区自治会 河野武嗣会長)
「ここは向こうの斜面に面していて、危ないということで自治会でこっちのほうに(新しく)切り開いてつくった避難経路です」
歩いて約5分。標高25メートルの場所に到着しました。崖が一部崩れていました。
(青島21区自治会 河野武嗣会長)
「そこが滑って、地すべりのいちばん上です、これが下の谷のほうまで滑ってて。だから急傾斜崩壊の地域ということで、今現在もこのような状況が発生しているということです」
(宮崎公立大学 山下裕亮准教授)
「ここまで来なくても、もうちょっと下の方で十分に高いところでも、避難すればそこまでのルートが大丈夫であれば使える、ただここがもうすぐに崩れているので、地震のときにいいかと言われると、ちょっと難しいという市の判断だと思いますね」
野島地区では防災意識を高く持ち、長く災害に備えてきました。
(青島21区自治会 河野武嗣会長)
「宮崎市には1日も早い津波避難タワーの建設を望みますし、それについては地元も協力して1日も早い工事ができるようにしたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います」
宮崎市は、野島地区を含む7カ所で観光客など住民以外の避難も想定して、津波避難タワーの建設を検討しています。