鹿児島県指宿市の畜産加工会社・水迫畜産が、牛肉の種類や産地を不正に表示して販売していた問題で、新たな展開があった。水迫畜産は記者会見で不正表示が「意図的ではない」とする確認書を九州農政局が認めたと説明していたが、九州農政局はその主張を「認めたわけではない」と明確に否定した。
問題の経緯――ふるさと納税の返礼品にも不正表示
この問題は、水迫畜産が2023年から約1年間にわたり、牛の種類(牛種)や産地を不正に表示した牛肉商品を販売していたものだ。販売先にはふるさと納税の返礼品も含まれており、消費者だけでなく、返礼品を通じて地域を応援しようとした寄附者をも欺く行為として、地域社会に大きな波紋を広げた。

「意図して行ったものではない」と会見で説明
4月10日に開かれた記者会見で、水迫畜産の水迫政輝事業部長は不正表示が意図的だったかどうか問われ、次のように答えた。
「九州農政局の調査において我々は2026年1月26日に確認書を交わしている。その中で今回の件に関しては牛種、産地などを含めて『意図して行ったものではない』という文言を得ています」
この説明は、九州農政局が確認書を通じて水迫畜産の主張を公式に認めたとも受け取れる内容だった。
九州農政局「認めたことにはならない」と否定
しかし、KTSの取材に対して九州農政局は全く異なる見解を示した。確認書の存在自体は認めつつも、「確認書の提出があったからといって『意図的ではない』と認めたことに繋がるわけではない」と明言。さらに「事実確認ができていないため、不正表示が意図的だったかどうか回答できることはない」と説明した。
つまり、確認書はあくまでも水迫畜産側の主張を記録したものに過ぎず、九州農政局がその内容を事実として認定したものではないということだ。

水迫畜産は「会見のとおり」と繰り返す
この九州農政局の見解についてKTSが水迫畜産に確認したところ、「現在自治体と取引しているので、個別の対応は差し控える。4月10日の会見はそのままの通り」とのコメントにとどまった。
農政局と水迫畜産の間で、確認書の意味づけについて明らかな認識の乖離がある。不正表示が意図的なものだったのかどうか、事実の核心部分はいまだ解明されておらず、今後の調査の行方が注目される。
(動画で見る▶ふるさと納税・牛肉不正表示問題 水迫畜産「不正表示は意図的ではない」と主張 九州農政局は主張を「認めたわけではない」)
