災害時に不足することをデータで事前に洗い出して備えにつなげるという取り組みを政府が始めています。そのモデルとして内閣府の担当者などが、5月14日、宮城県石巻市を訪れ、被災地の視察と意見交換を行いました。

14日、石巻市を訪れたのは内閣府の担当者など5人で、県や石巻市の職員とともに、東日本大震災で被災した門脇小学校や日和山公園を視察しました。

政府が進めているのは、「定量的弱部分析」と呼ばれる手法を用いた被害予測で、災害発生時に何がどのくらい足りなくなるのかを、事前に数値化して備えるものです。

東日本大震災クラスの大地震が起きた場合、県は石巻市内で824人の重軽傷者が出ると想定しています。

内閣府による「定量的弱部分析」では、重傷と想定される91人のうち、自力で脱出できず、消防などによる救助が必要な人が7人となる一方、84人は住民同士で救護所などへ運ぶ必要があると試算されました。

また、負傷者のうち30人は症状が重く、災害拠点病院へ運ぶ必要があるとされています。

内閣府担当者
「この流れを繰り返し行うことで、不足部である弱部に対して、より実効性の高い対策を立案して、不足分の解決を図っていくというところになります」

一方、浸水時に救助活動はできないとされている区域でも、場所によっては活動が可能であるなど、内閣府の分析結果と現場の実情にずれも見られました。

内閣府 桝谷有吾企画官
「その地震が起きた時にですね、建物被害と津波被害、色々あると思いますけど、そのフェーズごとに少し分析をしてですね、どういう組み立てをしていくのかを、少し考えたいなと思っています」

石巻市危機対策課 阿部雄大課長
「市として過去の経験だけではなくて、データとして目に見えるような形で、弱点を見つけていくというところについては大変意義のあるものだと思っていますし、その部分は今後の計画等々に活かしていきたいと思ってます」

内閣府は、この分析手法を今年度新設する「防災庁」の主要な業務と位置づけていて、「宮城県沖地震」や「南海トラフ巨大地震」、「首都直下型地震」などを想定し、全国の自治体への導入に向けガイドラインの策定を進めています。

仙台放送
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