自然に寄り添う暮らしを体験できる「グリーンツーリズム」。秋田・仙北市西木町で農家民宿を営む女性は、農業と宿泊業を通じて、ありのままの地域の日常や文化を訪れる人に伝えている。飾らない交流こそが心に残る旅になると、静かな山あいで実践を続けている。
農家の暮らしを味わう1日1組の宿
仙北市西木町にある「農家の宿 星雪館」は、1日1組限定の農家民宿だ。宿の周囲には豊かな自然が広がり、宿泊客は思い思いの時間を過ごすことができる。
代表の門脇富士美さんはホウレンソウやシュンギクなどを育てる農家でもあり、農業と宿の経営を両立している。
農業に興味がなかった過去から就農へ
門脇さんは地元の高校を卒業後、千葉県の短大に進学。そのまま千葉県内で就職したが、体調を崩したことをきっかけに1994年に帰郷した。
実家の農業を手伝う中で、31歳の時に就農した。自身でも驚くほど農業に無関心だったというが、「若くて先が見えなかったからこそ挑戦できた」と振り返る。
日常こそが旅の思い出になる
2011年に母から宿を引き継いだ門脇さんは、中国に留学した時の経験を宿づくりに生かしている。
現地の人との何気ない会話が印象に残ったことから、星雪館でも宿泊客とのコミュニケーションを大切にしてきた。
野菜の収穫やきりたんぽ作り、まきストーブ体験など、農家の日常そのものが旅の魅力となっている。
交流を力に 地域文化を未来へ
宿で提供する料理は、自ら育てた野菜を使った手作りの味。消費者である宿泊客と直接話すことで、新たな気付きも得られるという。
現在はグリーンツーリズム協議会の理事長としても活動し、「自然体で、地域に誇りを持ち、地域の文化の意味を伝えていきたい」と語る門脇さん。
その思いが、ふるさとの魅力を少しずつ広げている。
(秋田テレビ)
