特に、「『あとでやること』を外に出す」「忘れないように仕組みをつくる」といった使い方は、失敗を減らし、生活を安定させます。「覚えておかなくてはいけない」状態から解放されることで、「考えること」にエネルギーを使えるようになります。

認知オフロードの仕組みを利用することで、

・時間が空く
・負荷が下がる
・余裕が生まれる

という効果があるのです。

認知オフロードは、考える力を守るための工夫ともいえ、その意味で、考える力を別の場面で発揮するための手段だといえるでしょう。

この点は、AIを認知オフロードに用いる場合でも同様です。

「AI が考える力を奪う」の意味

ただし、問題はここからです。オフロードが「自動化」し、考える前に自動的に任せる状態になると何が起きるでしょうか。

認知オフロードは、自分で選んで使っているうちは、戦略です。しかし、それが無意識で自動的なものになると、話が変わってきます。

(イメージ)
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たとえば、GPSを思い浮かべてみてください。

知らない土地でも迷わずに行ける、便利な道具です。ところが、つねにその指示に従うだけの使い方を続けていると、自分のなかに「地図」が残りにくくなる、という研究結果もあります。

「どうせ調べれば出てくる」
「聞けばすぐ答えが返ってくる」

という感覚が先に立つと、考えるというステップが、まるごと抜け落ちてしまうことがあります。

つまり、外(AI)に預け続けた結果、内側(自分)が育ちにくくなるという可能性が出てくるのです。