福岡県議会の臨時議会で、蔵内勇夫議長に対する議長職の辞職勧告決議案が提案されましたが、これを採決しないように求める動議が出て、決議案の採決は中止されました。
臨時議会では正副議長ポストの就任をめぐり最大会派の自民党県議団の幹部に金銭を支払ったと証言した1人、吉松源昭県議が蔵内議長の議長職の辞職勧告決議案を提出しました。
これに対し自民党県議団の議員から「採決は極めて拙速」などとして中止を求める動議が出て、賛成多数で可決されたため、辞職勧告決議案の採決は中止となりました。
臨時議会後に取材に応じた吉松県議との主なやりとりは以下の通りです。
ーー臨時議会の受け止めは。
吉松県議:
きょうの開会予定は午前11時なんですよね。それに合わせて(傍聴の)キャンセル待ちまで出たらしいです。多くの県民の方が傍聴に来られました。なのに開会したのは午後4時前で5時間も遅れていると。 県民目線の「開かれた議会」というのであればこういったことをやめなくちゃいけない。もし私がきょう本当に突然に議案を出したんであれば、それは仕方ないかもしれない。 しかし私は金曜日から出してるわけですから、土曜も日曜も各会派が協議する時間も準備する時間もあったんです。にもかかわらず平気で5時間も皆さんをお待たせする。 このことがまず県民目線の議会になってないと指摘したいと思います。
そして、その議会では辞職勧告決議案には(採決)中止を求める動議が出されたわけです。ちゃんと起立採決までやったので、これで各議員の姿勢というのは明らかになったので、それで1つの進展はあったと思っています。ただ、正面から採決されなかったことは残念に思っています。
ーー今後はどのように動くのか。
吉松県議:
9月議会もありますし、きょう決まった第三者委員会が設置されていろいろ調査が進められていくと思います。その状況も見ながら、適宜考えていきたいと思っています。
ーー 採決自体ができなかった点については。
吉松県議;
問題があると思っています。福岡県議会の要項では中止決議をやってはいけないとは書かれていませんが、よその地方議会では明確に決議案の提案を中止する議案というのは出してはいけないといくつもの議会で定められています。民主主義の世の中で議員の発言を止めるということは基本的にあってはならない、提案を止めるということはあってはならないという趣旨の下で、そういう規則が作られているわけです。その意味で福岡県議会にその規則がないとはいえ、望ましいことではないと思っています。多くの有権者の皆さん方が見に来ているわけですから、それは正面から受け止めるべきだったと思っています。
ーー傍聴席からは「ふざけるな」という声も上がっていたが。
吉松県議:
もっともだと思います。まず大変な時間待たせた、その上に採決もやらない、これはとても県民の方を向いた議会とは言えないと思います。民主主義の議会のやり方とは到底言えないのではないか。昼前の段階では自民党の議員から辞職勧告に賛成する討論の申し出も出ていました。それがこの議会が始まる前に取り下げという形になりました。ほんの数時間後に取り下げると。これは誰が考えても自民党内で圧力がかかってますよね。こういうことがダメだと言ってるんですよ。一人ひとりの議員がそれぞれの有権者に向き合って、そして責任を持って自分の答えを出す、これを開かれた議会だと言うんだと思います。こういうことを本当に改善していかないと、県民に信用されないと思います。
ーー林県議からの動議については。
吉松県議:
(動議の)理由は「これから第三者委員会などで調査するんだから今まだ(辞職)しなくていいだろう」というようなことを言っていたが、私にはよく分からない理由でした。議長が変わっても第三者委員会の調査はできるわけですから。そのことと、(蔵内議長が)熊本地震のときに「ネパールは天国だった」と言ったことや、その前も、議員の聴聞をやるかというような時にアメリカに行ってしまった、というようなことで、議長としての職責を果たしていないということを私は今回、1つの理由にしてますので、それを「今、採決すべきじゃない」というのは全く理由になってないと思ってます。
ーー傍聴に多くの人が訪れた。
吉松県議:
私が「皆さん来てください」って呼んで集めたならともかく、ほとんど知らない方ばっかりでした。テレビの前で待っていたという方も相当いるはずです。私のメールにも「まだ始まらないのか」という問い合わせがありましたので、画面の向こう側で待っていた方もいっぱいいらっしゃったはずだと思います。 だから今回の結果を受けて、多くの県民ががっかりしていると思います。
ーー蔵内議長がこういう画策をしたと考えるか。
吉松県議:
蔵内議長あるいは議長に非常に忖度をする人たちが先導したんだと思います。若手の議員の中には私に賛成する討論をやろうという人もいたわけですから、やはりベテランの人たちじゃないかと思います。
