もうすぐゴールデンウィーク。車で遠出を計画している人も多いだろうが、気になるのがガソリン代だ。中東情勢が依然として不透明ななか、家計への負担は増すばかり。そんな今こそ役立てたいのが、鹿児島市在住の86歳の元テストドライバー・満山一朗さんが実践する「低燃費運転の極意」だ。高速道路での実走では、意識を変えるだけで燃費が1リットルあたり7キロ以上も改善。「技術よりも意識が大切」と語る満山さんに、その真髄を教えてもらった。

バッティングセンターで「快音」を響かせる86歳の達人

鹿児島市内のバッティングセンター。心地よい打球音とともにバットを振り続けるのが、満山一朗さん(86歳)だ。年齢を感じさせないフルスイングはいつしか評判を呼び、「鹿児島のイチロー」とも呼ばれるようになった。

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しかし満山さんの「達人ぶり」は、バッティングだけにとどまらない。20代の頃、大手自動車メーカーのテストドライバーとして培った知識と経験をもとに、86歳となった今も燃費の良い運転技術を磨き続けている。

極意はエンジンをかける前から始まっている

低燃費運転は、走り出す前から意識することが重要だという。

「(エンジン始動時に)一番燃料を食うのはエアコン。エンジンから直接動力を取るから」

そのため満山さんは、運転を終えた時点でエアコンを切る癖をつけている。次に乗り込んだ時、エンジンをかけた瞬間にエアコンが稼働しないようにするためだ。こうした小さな習慣の積み重ねが、燃費改善の第一歩となる。

市街地での極意「発進の回数を減らせ」

街中での運転で燃費が最も悪化するのは、発進時だと満山さんは言う。

「時速50〜60kmで走れば、1リットルあたり30km近く走れる。でも信号で止まると、次の発進加速で1リットルあたり13kmぐらいまで落ちる」

その差は歴然だ。とはいえ、市街地では赤信号を避けることはできない。そこで満山さんが実践するのが、前方の信号が赤に変わったら早めに速度を落とし、青に変わるタイミングに合わせてゆっくり近づくという方法だ。

「その間に信号が青に変われば、他の人は1速から4速まで4回加速が必要だが、私は3速・4速だけの加速で済む」

もちろん、黄色信号でアクセルを踏み込むなどは論外だ。「節約した分が、罰金で一発で吹き飛ぶ」と満山さんはきっぱりと語った。

もうひとつ。この運転をする時は、「後ろに車がいないことを確認してから」と満山さんは付け加えた。

高速道路では「時速80km固定」で燃費が激変

満山さんの真骨頂は、高速道路での走行にある。2025年4月と2026年3月、バッティングセンターの大会に出場するため、鹿児島〜福岡県小倉間を高速道路で往復した。

2025年4月の燃費は1リットルあたり20.2km。一方、低燃費運転を徹底した2026年3月は、なんと1リットルあたり27.8kmを記録。ガソリン価格自体は上昇していたにもかかわらず、ガソリン代を846円も節約することに成功した。

その秘訣は、速度を時速80kmに固定することだ。

「高速道路で一番燃料を食わないスピード。一定速度を保って、前の車についていけばいい。余計な加速はしない」

下り坂ではアクセルから足を離し、惰性で走る。「今は燃料をタダで走っています」という言葉が、その効果を端的に表している。

記者が実走で体感した「6.2kmの差」

満山さんの走りに説得力を加えたのが、取材記者による比較走行だ。山田料金所から姶良インターチェンジの間を、満山さんがアドバイスを意識せずに走るよう記者に依頼。登坂車線の車を追い越しながら走った結果、燃費は1リットルあたり21.6km。満山さんの27.8kmとの差は、実に6.2kmにのぼった。

「不要な追い越しはしないということ。よく分かったでしょう」

数字として明確に現れた結果に、記者も納得するほかなかった。

「技術よりも意識」——これが最大の極意

取材を通じて見えてきた最大の「極意」は、特別な運転技術ではなく、意識の持ち方にあった。

「車が良くなっているから技術はいらない。車が補っているから。だから意識が一番大切」

そして満山さんは、こう締めくくった。「燃料代と戦わないといけない。今後ますます不安定な時代が来るでしょう。方法を知っていた方がいいですよね」

取材後、記者が自分の車で1週間、満山さんの運転法を実践したところ、平均燃費がそれまでより9km向上したという。ゴールデンウィークのドライブを前に、ぜひ試してみてはいかがだろうか

【動画で見る▶ガソリン価格節約術 低燃費運転のコツ 元テストドライバー直伝 】

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