航空自衛隊は24日、2025年8月にFー2A戦闘機が墜落した事故の原因について、エンジン内部の部品の一部が適切に取り付けられていなかったことが原因とする調査結果を発表した。
墜落したのは、茨城県の百里基地所属のFー2A戦闘機で、2025年8月、茨城県沖で訓練中に操縦士が操縦席の後ろの下方から出る異音と突き上げるような振動に気づき、エンジン系統の警報灯が点灯するのを確認した。
操縦士は、エンジンの異常と判断し、安全を確保するため上昇した後、水平飛行への移行を試みたが、エンジンの推力が低下して水平飛行が困難になり、機体を安全にコントロールすることが可能な速度を保持したまま降下を継続した。
降下中にもエンジンの再始動を試みたものの推力は回復せず、操縦士は緊急脱出し、機体は墜落した。
航空自衛隊は、墜落の原因となったエンジンの異常について、コンプレッサ・ブレードと呼ばれる部品の一部が疲労破壊により破断・脱落したと推定した。
また、疲労破壊に至ったのは、関係する部品が外れていたことで異常振動が発生し、金属疲労を蓄積させたことによるとの見方を示した。
外れていた部品は約3年7カ月前の整備作業で適切に取り付けられず、その後2回行った点検と検査でも「見落とされたものと考えられる」としている。
航空自衛隊は、「実施頻度が少ない整備作業に関して、作業の練度及び知識の維持、向上を図るため、隊員に対する教育訓練の実施及び隊員個々の能力に応じて経験を積ませる機会」をつくることや、「作業内容を正しく理解させるため、必要に応じ、図等を活用した技術指令書の制定」をすること、「複数の検査実施者による見落としや、検査完了として誤って取り扱われる事態を回避するため、チェックリスト形式で整備作業を管理する」など「一つまたは一人の適切ではない整備作業が全体に波及しないようにする仕組みの構築」といった再発防止策を発表した。
森田航空幕僚長は、「百里基地周辺の住民の皆様をはじめ多くの国民の皆様にご心配をおかけし大変申し訳なく思っている」と陳謝するとともに、「究明した原因および事故から得た教訓を厳正に受け止め、基本手順の順守や指揮管理の徹底を図り実効性ある事故防止対策を推進するとともに飛行安全の確保に万全を期していく」と強調した。