当時、高校生だった娘に性的暴行を加えた罪に問われている父親の控訴審で、名古屋高等裁判所金沢支部は無罪を訴える父親の控訴を棄却しました。

21日に名古屋高等裁判所金沢支部を訪れた福山里帆さん(26)。実名で父親からの性暴力を訴え、判決を聞くために出廷しました。
富山県黒部市の元会社役員・大門広治被告(54)は、2016年に当時高校2年生だった娘の福山里帆さんに対して抵抗できない状態と知りながら性的暴行を加えた準強姦の罪に問われていました。
一審の富山地裁は、「娘が抵抗できない状態であることに乗じた卑劣かつ悪質性が高い犯行」として懲役8年を言い渡しましたが、弁護側は「娘が心理的に抵抗できない状態だと被告は分からず、準強姦は成立しない」などとして控訴。
控訴審の初公判で、父親は改めて無罪を主張していました。
21日の控訴審判決に大門被告は出廷しませんでしたが、増田啓祐裁判長は争点となった「抵抗できない状態だと分かっていたか」について、「娘が徐々に抵抗しなくなったのは、繰り返し性交を強いられ、もはや抵抗する気力を失っていたとみるべき」としました。

また、「家族の生計が父親の収入に依存しているのを娘は分かっていて、生活基盤を崩さないよう性交に応じざるを得なかった。父親はそれを認識していた。一審判決に誤りはない」とし、父親の主張を退け、控訴を棄却しました。


判決後に福山さんは会見を開き、「判決を受け前回(一審)と同じように安心している。(被告の)控訴趣意書を読んで、憤りを感じていたが、裁判所が全面的に被告側の言っていることを否定して、私の言っていたことを前回と同じように認めてくれたことを安心している」と話しました。
また、子どものころの性被害について刑事告訴し、裁判で戦ってきたここまでの道のりを振り返りました。

「裁判をしてよかったと心の底から思う。自分で過去のことと決別するのは難しい。公的機関(裁判所)に認められるというのは自分の中で大きかった。自分の問題が過去のことになって、あれは誰が見ても父親が悪かったと、自分の体が理解して、未来に向けて生活を考えることができる」
被告の弁護士は判決後に取材に応じず、上告について明らかにしていません。
(富山テレビ放送)
