4月の自民党大会で高市総理は、憲法改正について「改正の発議に、なんとかめどが立ったと言える状態で来年(2027年)の党大会を迎えたい」と述べ、改憲実現に向けた強い決意を述べた。

先立つ1月の衆議院解散の決断表明会見では「これから半年近くに及ぶ国会で、“国論を二分するような”大胆な政策、改革にも、批判を恐れることなく果敢に挑戦していくためには、どうしても政治の安定も必要だが、国民の皆様の信任も必要だ」とも訴えた。

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そして今、国会では衆参両院の憲法審査会で約1年ぶりに実質的な審議が始まり、同じく約1年ぶりに安定的な皇位継承や皇族数の確保に向けた衆参の正副議長と各党派の責任者による協議が始まった。

4月18日と19日に実施した今回のFNN世論調査では、動きだした“国論を二分するような”政策・改革についても、有権者の意識を探った。

まず、「再審制度見直し」と「憲法改正」についての有権者の回答を詳しく分析する。

「再審法」 法務省の修正案への支持が6割超

刑事裁判をやり直す「再審」の制度見直しをめぐっては、裁判所による再審開始の決定に検察官が不服を申し立てる「抗告」の制度を残そうとする法務省案に対し、与野党の国会議員から「抗告は全面禁止にすべき」との意見が相次ぎ、説明のために法務省側も出席する自民の党内審査を行う法務部会は“荒れ模様”が続いている。

自民部会での強い反発を受けた法務省は4月15日、検察による抗告の制度を維持しつつ、裁判所が抗告の当否を審理する期間を「1年以内」と制限する修正案を提示した。

FNN世論調査で検察官による「抗告」についての考え方を尋ねたところ、6割を超え最多となったのは「何らかの制限を付けるべきだ」(64.6%)で、この法務省修正案のような形を有権者は望んでいることがわかった。

この選択肢は、支持政党にかかわらず最多となっていて、日本維新の会支持層では77.8%と8割近くが選んでいる。

1966年に起きた静岡県一家4人強盗殺人事件では、2014年に静岡地裁が再審開始を認める決定をしたものの、検察が即時抗告し、再審開始の確定まで9年を要した。

検察の抗告に「一定の制限」をかけることを望む声が最多となったのは、抗告の全面禁止を求める人々の「被害者救済が遅れるから」という主張が、有権者にある程度浸透しているとみることもできるのではないか。

次いで多かったのは、検察による抗告の制度が「今まで通り必要だ」とする現状維持の考えで、全体の19.9パーセントだった。

一方、自民部会で台頭する“抗告全廃派”が主張する「抗告を全面禁止すべきだ」を選んだ有権者は、現状維持の半数以下となる9.1%で、自民支持層に限って見るとさらに少ない6.7%にとどまった。

政府は、再審制度見直しを今国会で実現したい考えだが、今回調査が示した有権者の意識を反映した“落し所”を立法府がどう設定するのか、注目したい。

自民イメージの“改憲4項目”への賛成いずれも過半数

2月調査では、高市総理が衆院選後の会見で「少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境を作れるよう粘り強く取り組む」と述べたことをうけ、「高市政権が改憲の準備を進めることへの賛否」を尋ね、「賛成」=67.1%/「反対」=25.2%だった。

今回は、高市総理が4月の自民党大会で改憲への意欲を改めて示したことを受け、具体的に自民がイメージとして挙げている4項目について賛否を尋ねた。

≪自衛隊明記≫
「憲法に自衛隊を明記すること」に「賛成」は59.3%で、「反対」(31.3%)の倍近くに上った。

政党支持層別に見ると、維新・国民民主党・参政党・チームみらいの支持層では「賛成」が8割を超えた。

「反対」は、共産党(82.2%)・れいわ新選組(69.7%)・社民党(55.6%)・公明党(49.1%)の支持層で多かった。

中道改革連合の支持層も「反対」の方が多く48.4%だったが、「賛成」も44.9%に上った。

≪緊急時の議員任期延長など≫
「大模災害時の国会議員の任期延長など緊急事態対応の条文を新設すること」への「賛成」は66.2%、「反対」は25.9%だった。

賛成が過半数を占めた政党支持層が多かったが、立憲民主党(「賛成」=37.1%/「反対」=55.4%)と共産党(「賛成」=36%/「反対」=49.4%)の支持層では「賛成」を「反対」が上回った。

≪参院の合区解消≫
「隣接する県を1つの選挙区として扱う参議院の『合区』を解消し、各都道府県から1人以上の議員を選ぶ条文を加えること」に「賛成」は54.1%、「反対」は29.6%だった。

支持政党別に見ても、概ね「賛成」が多く、賛否の差は顕著だが、国民民主支持層は「賛成」=38.7%/「反対」=40.8%で、中道支持層は「賛成」=47.2%/「反対」=43.1%と、賛否がほぼ二分した。

≪教育の充実≫
「経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保するなどの条文を加えること」に「賛成」は83.3%で、「反対」は11.3%だった。

支持政党別に見ても全て、「賛成」が「反対」を上回った。

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