5月26日、「ノンストップ!」が都内にあるクリニックを取材すると、患者への診察中、医師からこんな言葉が…。

立川パークスクリニック 久住英二院長:
最近はいろんな風邪がはやっているんですけど、“謎風邪”とかね。

今、全国各地で“謎の風邪”なる病が流行しています。

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福岡市内にあるクリニックでは…、

患者:
“謎の風邪”がはやっているとSNSのスレッドで見て、「私もそうなんだけど」と思って…。

こうした風邪の症状を訴える患者が、例年の同じ時期に比べて2割から3割ほど増加。
1日約90人が受診しているといいます。

SNSでも…。

〈SNSの声〉
「今月2度目の謎風邪で、病欠をもらうことに…」
「子供のせきが止まらない。もしかして、はやりの謎の風邪?」

“謎の風邪”という言葉で、不安の声がいくつも投稿。
ついには、福岡県の医師会が20日、“謎の風邪”について記者会見に乗り出す事態に。

福岡県医師会 稲光毅常任理事:
何かの感染症がきっかけになっている可能性は高いだろう。

「謎の風邪」とは、どんな特徴なのでしょうか?
一般的な風邪と似ているものの、少し異なるのが、“長引く症状”だといいます。

“謎の風邪”正体は…ヒトメタニューモウイルスとは

原因とみられているのは、聞き慣れない名前のウイルス。

“謎の風邪”の正体の候補、「ヒトメタニューモウイルス」です。

「ヒトメタニューモウイルス」とは、風邪ウイルスの一種。大人の場合、発症すると38℃程度の発熱や、咳・鼻水などの症状が約2週間続くといいます。
また、免疫力が低い0歳から5歳の乳幼児や高齢者の場合は何度も感染したり、長期間症状が続くことで悪化して気管支炎や肺炎につながることも。

立川パークスクリニック・久住英二院長は、このウイルスについて…、

久住英二院長:
3月から6月ぐらいが流行期とされているんですね。救急病院でも働いているんですけど、運ばれてきた高齢者の方で、ヒトメタニューモウイルスによる肺炎の人が結構立て続けに経験しているので、病原性が強くて嫌な病気なんだなっていう実感は持っています。

そもそも風邪って? 医師「200種類以上」

風邪の一種だという、ヒトメタニューモウイルス。ですが、そもそも「風邪」とはどんな病気でしょうか?

風邪とは…正式名称「かぜ症候群」
何らかの感染症によって呼吸器で炎症が起きている状態ですが、重症化リスクが一般的に低く、8割~9割がウイルス感染ということです。

その原因となるウイルスの種類は、細かく分類すると200種類以上。

久住英二院長:
代表的なのが、だいたい7種類ぐらいのウイルス。例えば「ライノウイルス」や「アベノウイルス」。
ライノウイルスは細かく160種類以上あるといわれていて、それぞれ1回ずつ感染しうる。それを考えると風邪の原因になるウイルスっていうのは200種類以上あります。

MC設楽統:
こんなにあるんですね。我々も「風邪」って言ってるから、今回の“謎の風邪”って言われても風邪って、風邪だろうと思うんですよね。なぜ今回、今はやってるのだけ、“謎の風邪”って言われるんですか?

久住英二院長:
おそらく今はやってるヒトメタニューモウイルスの場合は、38度ぐらいの高熱が出るんですね。38度ぐらいの高熱があると、我々はやっぱりコロナとかインフルエンザの検査をしますよね?それなりに症状もつらいし、だけど反応が出ない…「何でしょうね」っていうところから“謎の風邪”なんだと思います。
また症状がかなり長く続いているので、「普通の風邪にしては長いな」っていうところも謎なのかなと。普通の風邪はだいたい4~5日から1週間ぐらいで収まってくることが多いのですが、ヒトメタニューモウイルスの場合は、少し症状が長いです。
症状の重い方から軽い方まで、例えばお子さんとか高齢者の方は重い症状になるし、若くて元気な方は症状が軽いので、同じウイルスだけどもまったく人によって症状が違うということもあり得ます。

ウイルスの特定をしない、特効薬を開発しない理由

何らかのウイルスによる感染症だと思われても、ウイルスの特定をすることは基本的にありません。それは、なぜでしょうか。

久住英二院長:
一般的にヒトメタニューモウイルス含めて、こういうウイルスって検査はしないんですね。なぜならば治療法があまり変わらないんです。

例えばコロナとかインフルエンザだったら、ウイルスを抑える薬を使ったりするし、放っておくと重症化したり入院したりする率が高いので別に扱うんですけども、これらの感染症は基本的に自然に治癒するので、診断をしても治療方法の選択は変わらない。熱冷ましを飲むとか、たん切りを飲むとか鼻づまりを取るという対症療法に過ぎない。
ひどく症状が長引いてしまったり、ご飯が食べられないとか、夜眠れないというほど症状がつらい場合は(病院に)受診いただいてもいいと思うんですが、通常は市販の風邪薬等で症状を抑えて診てもらっても大丈夫です。

設楽統:
ある種危険というか、重要なものから薬が開発されるから、そういう優先順位が低いってことは、危険度がないってことですか。

久住英二院長:
はい。例えばライノウイルスでも160種類ぐらいあるので、全部に効く薬が開発しきるかっていうとなかなか難しいのと、ウイルスの薬が「2万円します」って言われた場合に、皆さんお飲みになるかっていうと、なかなか難しいですよね。経済的に見合うかどうかというところも含めると…。

種類はあるけれども、自然に治っていくという風邪。まずは基本の感染対策をしっかり行うことが重要です。

(「ノンストップ!」5月27日放送より)

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