なお、医療費が高額になった場合は「高額療養費制度」、介護費が高額になった場合は「高額介護(予防)サービス費」、加えて「高額医療・高額介護合算制度」を利用することで抑えることができます。
以上から、もしもに備える医療費・介護費として「1人あたり500万円程度」を、一つの目安として考えることができます。
インフレ対策と並行することが大切
上記の式に当てはめて計算すると、自分にとって必要な老後資金の金額がある程度把握できると思いますが、これからの時代、インフレ対策をしながら準備をするという点も欠かせません。
というのも、今日本では、円安により輸入コストが増えていること、国際的な原材料、エネルギー価格の高騰、人手不足に伴う人件費上昇の3要素が重なってインフレになっていますが、この傾向は今後も続く可能性があると指摘されています。
インフレ対策に有効なのが「資産運用」ですが、資産運用を行う際に意識したいのが「運用している商品が物価の上昇率と合っているのか」を考えることです。
たとえば運用している商品が年利1%で、物価の上昇率が2%なら、その運用商品は目減りしていることになります。ですから、物価上昇以上の利回りがある商品で運用する必要があります。
また、資産運用をする際にはNISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用すると、効率よくお金を増やすことができるでしょう。
老後不安になる大きな要因は、自分が本当に必要としている資金がわからないことにあります。まずは、さまざまな情報に流されずに、今回ご紹介した「用意しておきたい老後資金の計算式」を活用して自分自身が本当に必要な老後資金を算出してみましょう。
その上で、今からできる対策をしっかり立てて実行すれば、不安が和らぎ安心して老後を迎えることができるでしょう。
高山一恵(たかやま・かずえ)
(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
