2026年7月にパスポートの申請料金が値下げされる。これを機に海外旅行へ…と心を躍らせる人もいるかもしれない。しかし、物価高や円安が続くいま、身近で味わえる世界のグルメにも注目したい。福井県内で本場の味が楽しめる店を調査した。
一見、普通のアパート…扉を開くと異世界が
今回、調査を進めるのは福井県住みます芸人の「飯めしあがれこにお」さん。36歳にして海外経験はゼロだという。
最初に到着したのは、越前市内の閑静な住宅街にある、一見するとごく普通のアパートだ。
しかし、部屋のドアを開けると…
「衝撃、急に海外!」こにおさんが叫ぶのも無理はない。 店内で飛び交うのは異国の言葉。客の全員が外国人だ。
この店は、ブラジルで定番のストリートフード「パステル」の専門店。福井に住んで30年になるブラジル出身の夫婦が営んでいる。
店主の父親もブラジルでパステル屋を営んでおり、親子2代にわたってその味を守り続けている。

実際にブラジルへ行くとなると、約30時間のフライトと30万円ほどのチケット代がかかるが…ここでは格安で本場の味を堪能できる。
こにおさんは一番人気の「チキン&チーズ」のパステル(700円)を注文。その大きさに思わず「でっか!」と驚きの声を上げる。
大判の餃子の皮のような四角い生地をカリっと揚げてある。「あ!食べた瞬間にもうチキンの風味がめちゃめちゃ溢れてきますね」。
さらに、トマトやタマネギ、ピーマンなどが入ったブラジル定番のサラダ「ビナグレッチ」を中に入れて食べるのがおすすめだという。自家製のチリソースやドレッシングで“味変”も楽しめる。
ちなみに…店主夫婦の日本の好きな食べ物はというと、夫は「越前そば」、妻は「すし」だそう。また、ブラジルではコメに「ニンニクやタマネギ、オイル、塩で味付けするのが普通」で来日当初は日本の白ごはんに驚いたというが、いまでは大好きだそうだ。
次はインドネシア!アヒル料理と“酔っぱらう”デザート
次に向かったのは、ジャカルタ料理が味わえる福井市にある「ジャカルタフード・インドネシア」。日本から飛行機で約6時間、赤道直下にあり、1万以上の島々からなるインドネシアの料理を味わえる。
メニューを見ていた、こにおさんの目に留まったのが「アヒル」の文字。インドネシアではポピュラーな食材だという。そこで注文したのは「アヒルのスブッス(1600円)」。料理名の「スブッス」は、肉を柔らかくするためにすりこぎ棒で「つぶす」作業から店主が考案した名前だ。
ショウガや香辛料で柔らかく煮込み、臭みを取ったアヒルを油で揚げ、最後につぶして完成。人生初のアヒル料理を口にしたこにおさん。
「んん!鶏肉とはちょっと違いますけど、パリパリでめっちゃうまいっすね」と絶賛。
続いてデザートには「アイステレル(780円)」を注文。美味しすぎて酔っぱらったような気分になることからインドネシア語で「エス(冷たいデザート)+テレル(酔っぱらう)」から名付けられたという。ココナッツフルーツ、アボカド、そして東南アジア最大の果物ジャックフルーツを入れ、牛乳とコンデンスミルクをかけて仕上げる。
ジャックフルーツはマンゴーとパイナップルとバナナを混ぜた甘さ。そこにインドネシアではフルーツとして扱われるアボカドが組み合わさり、なんとも新鮮なデザートだ。
旅の締めくくりは水の都・ヴェネチアの本格イタリアン
旅の最終目的地はイタリア…ではなく福井市中央にある「オステリア・ダ・シルバーノ」。
ただのイタリアンではない。シェフのマスッティ・シルバーノさんは、水の都ヴェネチアの5つ星ホテル「チプリアーニ」で10年間腕を振るった経歴を持ち、本場の食材をふんだんに使った料理を提供している。
最初に登場したのは「イカスミのリゾット ヴェネチア風」(2860円)。イカの肝を使うことで生まれる深いコクが特徴。イカは福井県産だが、味付けはあえて日本の好みに合わせることなく、本場ヴェネチアの味をそのまま提供している。
続いては、エビやイカ、ホタテと彩り野菜を揚げた「フリット」(3080円)。
ヴェネチアの酒場「バーカロ」で人気のメニューだ。フレッシュレモンを絞って口に運ぶと…「ベネチアの景色が見えましたね」とこにおさん。
そしてデザートはやはり、イタリア定番の「ティラミス」(825円)。実はヴェネチアがあるヴェネト州発祥のドルチェだという。食材はすべてイタリア産。マスカルポーネチーズを使うのはもちろん、スポンジではなく「サヴォイアルディ」というビスケットをエスプレッソにつけ込むという“本場の味”を貫いている。

物価高で海外旅行もはばかられる昨今…近場で本場の味を楽しんでみてはいかが?
