手頃な価格で買えることから“庶民の味方”として人気のある鶏肉ですが、最近、その価格に変化が起きています。過去最高を記録した鶏肉の価格の背景や、県内への影響を取材しました。
農林水産省によりますと、全国のスーパーなどにおける「鶏もも肉」の店頭平均価格は右肩上がりで上昇していて、5月は100グラムあたり154円と過去最高を記録しました。
この背景には、牛肉や豚肉の高騰でより安い鶏肉の需要が高まっていることや、円安などによる輸入コストの上昇があるとみられています。
県内に4店舗を展開するとんかつ店「天膳」では、唐揚げやチキンカツに使う鶏肉を
国内やブラジルから仕入れていますが、去年と比べて仕入れ値が約25%上がっています。
天膳・天谷健二社長:
「1年くらい前から少しずつ上がっていて、特に半年くらい前からは如実に値上げの幅は大きくなっている。短い期間に急激な値上げがあると、価格転嫁するのが心苦しかったり在庫の確保であったり、他方面でいろんな影響が出る」
仕入れ値が上がっている大きな要因は、海外の環境にもあるといいます。
天谷店長:
「人手不足や輸出に関する原油高、干ばつによる餌の高騰とか、いろんな要素でブラジル産の鶏肉が高くなっているので、先行きは読めない。ただ、『下がる』という期待できないのではないか」
歯止めがかからない物価高の影響を受け、この店では4月にはメニューをほぼ一律で7%値上げする決断を迫られました。価格を上げる中でも客の満足度を下げない工夫を模索しています。
天谷店長:
「適切な価格転嫁をするのはもちろんだが、いろんな商品サイズを展開したり、アレンジ料理を作ったり、今までとは違った新しい提案で価値のあるものを出して、価格に少し上乗せして販売することも考えている」
一方、生活に密接にかかわる小売の現場、福井市の「Aコープ」では、価格は去年より1割ほど高い水準で推移しているということです。
売り場では、半額シールの付いた鶏肉を買い求める買い物客の姿も見られました。
客:
「たまたまきょうこんなに安くなってると思わなかったから。他の肉に比べれば上がってもそんなに堪えないけど、やっぱステーキのところ(牛肉売り場)は素通りした」
「単純に好きだし豚肉とか牛肉より安い感じがする。今までは1カ所しか行かなかったけど、チラシを見てちょっとでも安いところと思って行くように心がけている」
高騰する牛肉や豚肉に比べて「まだ安い」と選ばれる鶏肉。需要が落ちない中、店側も売り方に工夫を凝らしています。
Aコープみゆき店・山上剛店長:
「鶏肉に関しては昨年と変わらず、売り行きは好調ですね。やはり鶏肉の需要は高まっている。小パックなどを、単身の方に向けて多く作ったりとか、そういうことはしてます」
こちらのスーパーではさらなる値上げの予定は今のところないということです。
価格高騰が続いている「庶民の味方」鶏肉。家計を預かる消費者や現場の苦労は今後も続くのか。この先の価格の動向が注目されます。