衆議院の憲法審査会が16日開催され、与党から、次回審査会での緊急事態条項創設についての集中的な討議が提案され、野党側は賛否の反応が分かれた。

憲法改正を巡っては、高市総理大臣が12日の自民党大会で「時は来ました。改正の発議について、なんとかメドが立ったと言える状態で、来年の党大会を迎えたい」と憲法改正に向けた国会での論議の進展に強い意欲を示していて、与野党の受け止めが注目されていた。

この日の審査会では、各会派の代表者が順に発言した。

自民党の新藤衆院議員は、災害やテロ、感染症のまん延などにより、選挙が困難となった場合に、選挙期日や議員の任期を延長するといった「緊急事態条項」の創設について、「ここまで議論が進んでいることを踏まえれば、さらに論点を深めるためにも、次回の審査会で、このテーマに関する集中的な討議を行ってはいかがか」と述べて、緊急事態条項にテーマを絞って議論を進めたい考えを示した。

日本維新の会の西田衆院議員は、「アクセルを踏んで、議論を進めていくべきは、いずれも火急のテーマである緊急事態条項創設と(憲法)九条改正に他ならない。高市総理は、来年の党大会までに憲法改正の国会発議にめどをつけたいとの強い決意を示されたが、私たち日本維新の会は、その実現のため、全身全霊を傾ける所存だ」として、高市総理の発言にも触れて、緊急事態条項についての集中討議に賛同を示した。

また、国民民主党の玉木代表も、高市総理の発言を引き合いに、「私もとっくに時は来てると思う。そして、実際、総理の言う結論のための議論にもトライしてきた自負がある」と切り出した。

そして、国会発議に向けて、「今年の秋の臨時国会には原案を取りまとめて、国会法に基づく衆議院100名以上の賛成、参議院50名以上の賛成で国会に提出しないといけない」と述べた上で、参議院での少数与党を念頭に「現在の自民、維新、公明、そして、わが党の少なくとも4党が合意できるテーマで、議論進めない限り両院の3分の2の議員による発議には結び付かない」と、自らの党の協力が不可欠だと強調した。

一方、中道改革連合の国重衆院議員は、緊急事態条項を巡る議論について「論点は、ある程度、整理されてきたのかもしれない。しかし、具体的な認定基準などについては、必ずしも共通認識が得られていない」と述べた。

その上で、「憲法審査会においては、これまでの論議の作法にのっとり、少数会派の意見を尊重しながら、議論を進めていっていただきたい。新しく参加した会派や少数会派の意見を置き去りにしたまま、結論ありきで条文化に進むことは、やはり慎重であるべきだ」と述べ、テーマを絞った議論の進め方に慎重な姿勢を示した。

また、参政党の和田衆院議員は、「参政党は、創憲、憲法を一から国民の手で作り直すことを掲げている。憲法改正の議論には積極的に参加していくが、やはり現行憲法の成り立ちについても、根本的な議論がなされるべきだ」と述べた。

緊急事態条項については、「憲法改正において感染症のまん延、パンデミックが含まれる緊急事態条項の創設に反対だ。今後、もし人工でウイルスが作られPCR検査で陽性を増やすという、ことで、パンデミックによる緊急事態が演出できるとなれば、人為的に国民の権利を制限することが可能になる」と述べた。

チームみらいの古川衆院議員は、「テーマを絞って、議論を行うことが重要であるという点については、チームみらいとしても同意する。これまでの議論の整理や各会派の提案をまとめた資料を基に、具体的な論点について議論を深めるなどの運用を行うことが良いのではないか」と投げかけ、チームみらいとして「国民投票法の議論に一定の時間を確保してほしい。昨今の選挙にまつわる環境の変化や、AIの進展なども踏まえて、各会派の意見をうかがいながら、建設的な議論ができるテーマだと考える」と述べた。

共産党の畑野衆院議員は、中東情勢に触れて「戦争と平和が今、鋭く問われている。戦争を終結させることが何よりも必要だ。憲法九条を持つ日本政府は、そのための役割を果たすべきだ」と述べた上で、特にアメリカに対しては、国際法に違反している可能性を指摘し「。日本政府の姿勢が厳しく問われている。戦争を許してはならないという憲法九条の精神に立って、争い事を話し合いで解決するために知恵と力を尽くすことが必要だ」と主張した。