シリーズ『熊本地震10年 つなぐ未来へ』。テントや仮設住宅暮らしを経て、自宅を再建した益城町の94歳、佐々木君代さんです。
【2016年4月14日 益城町木山】
「私が死ぬとよかった」
倒壊した自宅の2回から自力で脱出した佐々木 君代さん(当時84)。
独り身の佐々木さんは廃材で作ったテント暮らしを始めた。
「避難所生活よりいいです」
「家建てなんけん大丈夫です」
テントからトレーラーハウスへ移り、「必ずこの地で生き抜いてみせる」と自分に誓った。
「みんな家は建てるなと言うけど、私は私を全うしたいんです」
地震から約4カ月後、仮設住宅での生活が始まった。
「もう泣こうごたる」
2017年2月自宅の再建が始まった。
「テントからずっと来たんだけんね」
地震から1年で新しい我が家に帰ってきた。
あれから10年、再建した自宅周辺は区画整理で景色が変わった。
「94歳だぞ。よくぞ生きとったね」
テントの我が家跡も新しい道路になり、趣味の家庭菜園も小さくなる。
「家は崩れたばってん、人生はひとりぼっちで満喫したよ」
「お金がもう少しあるとよかったばってん」
足腰が弱くなったため4車線になった県道を渡るのに時間がかかるのが悩み。
「押しボタン信号機でも作ってくれるといいけど・・・犠牲になろうかな」
「手先はもうだめ。口だけは成長しとる」
スマホでSNSを楽しみスマートウォッチを使いこなす94歳。
「1人で私を全うする約束だけん」
暖かくなったので庭一面にバラを咲かせる準備を始めるという。
「あれから10年!」