60年以上の歴史がある福岡市の中村学園女子高校が2026年度から男女共学となり、4月9日に男子学生を迎えて初の入学式が行われた。学校内の施設改修はもとより、倍増する新入生の受け入れなど共学スタートまでの舞台裏を取材した。

新入生倍増 共学1年目スタート

福岡市城南区の『中村学園高等学校』。2026年度から共学化し、4月9日に初めての入学式を迎えた。

この記事の画像(15枚)

「男子1期生なのでちょっと不安ですが、青春したいです」などと新入生は男女共に期待に胸を膨らませていた。

一方、新入生を迎える在校生は、「廊下で男子とすれ違ったら『おっ!』ってなりますね、やっぱり」「行事とかもすごく盛り上がると思う」と男子生徒のいる学校生活に戸惑いと期待を寄せていた。

前身の『中村学園女子高等学校』が開校したのは1960年。しかし伝統校でも少子化で徐々に生徒数が減少、さらに時代に合わせて多様化も叫ばれるようになった。

そうした中で迎えた共学化。これまで1学年の人数は330人ほどだったが、2026年度の新入生は615人と約2倍に増加。男子生徒は全体の4割を占めている。

生徒が倍増したので、当然クラス数も倍近くに。2025年度の新入生は9クラスだったが、2026年度は17クラスでのスタートとなった。

男子トイレやカーテンなど突貫工事

長年の課題だった生徒数減少は解決したが、学校側は校舎内の設備などハード面の改修に追われることになった。春休み中の3月24日、校舎内ではトイレの工事が急ピッチで進んでいた。

「トイレがこのフロアに3カ所あるが、このうちの1つを男子トイレにします」と説明してくれたのは、中村学園高校の西尾正さん。

さらにこれまでは廊下側にあったトイレの出入り口も裏側に変更するという。「扉がなく、今までは手を洗ったりするところは外から見えていたが、そういったところも見えないような形にして…」。男女共学の校舎では、互いが快適に使用できるトイレの配置は重要だ。

そしてクラス数の増加に合わせ、これまで講義室などとして使われていた部屋が「教室」に生まれ変わった。その教室にも共学ならではの工夫があった。「カーテンを付けられるようにカーテンレールを設置しています」と話す西尾さん。着替えなどに配慮して教室の外から中が見えないようするためだ。

なんとか入学式までには全ての改修工事を終えようと、西尾さんは慌ただしい春休みの日々を送ったという。

入学式
入学式

そして迎えた入学式。新たな学び舎に生徒たちが入って来る。「ご入学おめでとうございます!」在校生たちが校門をくぐる新入生に優しく声をかける。

私立高の授業料“無償化”追い風に

60年以上の伝統を紡いだ女子校から生まれ変わった『中村学園高校』。新入生の‟急増“について、西尾さんは『共学化』以外にも理由があると話す。「やはり一番大きいのは、授業料の無償化」。

4月から所得制限なしで始まった高校授業料の実質無償化。私立高校の授業料の全国平均にあたる年間45万7200円が国から支給され、中村学園高校でも授業料の大部分をカバーできることになった。

保護者からは、「私立はちょっと高いかなと思っていたが、今回の無償化で選択肢が広がった」との声が多く聞かれた。

中村学園高校に続き2027年度には、福岡市立福岡女子高校も『福岡共創高校』に校名を変更して共学化する予定だ。福岡県では基本的に公立志向が強く、その傾向は今も根強いが、‟私立の授業料無償化“により、今後、受験生たちの学校選びの構図が大きく変わってくる可能性がありそうだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。