「令和の米騒動」ともいわれ価格が高騰したコメがいま、値下がりを続けている。国の調べでは7週連続の下落だ。

福井市内では田植えが始まったが、コメ作りの現場は中東情勢の悪化に伴う燃料費などの高騰に苦しんでいる。

生産コストは上がる一方、販売価格は下がる状況に、農家からは「このままではコメ作りを続けていけない」と切実な声が上がっている。

「一番困るのは燃料代」

4月8日、福井市下馬では農家の白井清さんが、他の農家に先駆けて今シーズンの田植えをスタートした。この日植えていたのは、早生のハナエチゼン。

福井市内でいち早く田植えスタート
福井市内でいち早く田植えスタート
この記事の画像(7枚)

白井さんは50ヘクタールの水田で5種類のコメを育てている。しかし、生産コストが上がり続けることに頭を悩ませている。

最も負担となっているのが、中東情勢に伴う燃料費の高騰だ。

農機具の燃料代が高騰
農機具の燃料代が高騰

「一番困るのは農機具の燃料、軽油。これが大体、去年と比べて1リットルあたり40円ぐらい上がってるんじゃないかな。30万円ぐらいオーバーや」と白井さんは語る。

さらに、秋にコメの乾燥作業で使う機械の灯油代もどうなるか分からず、これも上がれば大変な影響があると懸念を示す。

肥料代も3年で倍に…コスト増に反して進む米価の下落

そして、より深刻なのが肥料代だという。

「3年前と比べると倍になっている。(肥料も)中東のほうから入ってくるので、生産コストがどーんと上がって…」

コメ販売価格の推移
コメ販売価格の推移

一方、これだけ生産コストが上がっているにもかかわらず、国の調べではコメの販売価格は7週連続で下落している。在庫が積み上がり、価格が押し下げられているという。

福井市内のAコープでは、県産コシヒカリ5キロが4280円、スーパーのハーツでは4380円で販売されている。(※4月9日現在)

「こんな業界はありえんのです、絶対に」

この価格の動きを、現場の農家はどう見ているのか。

農家の白井清志さん
農家の白井清志さん

「生産コストが上がれば、本来は製品価格も上がるはず。ところが、コメの生産コストは上がりました、でも販売価格は下がりました…こんな業界はありえんのです、絶対に」と白井さんは憤る。

肥料代は3年で倍に
肥料代は3年で倍に

「もう、どういうふうに考えてくれるのかな、国は」と、やり場のない思いを口にした。

この状況が続けば、農家の採算が取れず生産が減る可能性もある。その影響は、将来的に再び価格高騰や品薄という形で、私たち消費者にも及ぶことになる。

省力化も進めるが…
省力化も進めるが…

白井さんは省力化を進めようと、無人の田植え機を導入するなど試行錯誤しているが…

生産コストは上がり、販売価格は下がる。コメ作りの現場は、厳しさと向き合っている。

福井テレビ
福井テレビ

福井の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。