西山動物園の人気レッサーパンダ「ミンファ」が21日、19歳で息を引き取りました。人間の年齢に換算すると90歳の大往生でした。23日からは園内に献花台が設けられ、大勢のファンが別れを惜しんでいます。
武田祐季アナウンサー:
「ここ西山動物園にはミンファの献花台が設けられていて、たくさんの花や、ミンファが好きだったというリンゴなどが供えられています」
ミンファの死から3日が経った24日、県内外のファンたちが献花台を訪れ、遺影の前で手を合わせました。
献花に訪れた人は―
「19歳でしたっけ?お年とはいえもうちょっと…と思っていたんですけど。残念です。でも、よく頑張ったと思います」(滋賀県から)
「脱走したりすることもあったみたいなんで、元気な子だったのかな」(福井市から)
ミンファは2006年6月に千葉県の市川市動植物園で誕生。2008年、1歳8カ月のときに西山動物園にやってきました。
その1カ月後、とある事件が―
運動神経抜群のミンファが、フェンスをよじ登って園外に脱走してしまったのです。
市の職員や消防など約130人が出動し、大捜索の末、脱走から22時間後にようやく捕獲されました。
ミンファがやってきた頃から世話をしてきた飼育員の中嶋公志さんは「脱走の当日、私は休みだったんですけど、ミンファちゃんが逃げたということで、すぐに駆けつけました。ミンファちゃんの身体能力を侮っていたというか…私たち飼育員もちょっと甘く見ていたっていうのがありまして」と当時を振り返ります。
この脱走劇から、「脱走の女王」として一躍有名になったミンファ。その“おてんば”な性格だけでなく、クリクリとした大きな瞳と整った顔立ちがファンの心を掴みました。
静岡から駆け付けたというファンは「もう抜群ですね。顔が本当に整っていて、すごく可愛いというか本当にきれいですよ」と語ります。
現在、西山公園の入り口にある看板にもミンファの写真が使われていて、文字通り西山動物園の「看板娘」でした。
2014年には、国の繁殖計画のため鯖江を離れ、5年間を神戸の動物園で過ごし、多くの子孫を残しました。
2019年3月、鯖江に戻ってきた際には、多くのファンを喜ばせました。帰園後も同年代のレッサーパンダと比べるよく動くものの、脱走したりすることはなく、おだやかに余生を過ごしていました。
しかし5月5日からはえさを残すようになり、だんだんと元気がない様子になったというミンファ。21日深夜、飼育員たちに見守られる中、静かに息を引き取りました。
中嶋飼育員は「ミンファの魅力とか可愛いところがフラッシュバックのように思い返されます。元々、活発で身体能力の高いミンファなので、天国でも木の上に登ったり、飛び回ってるんじゃないかな」と思いを寄せました。
ミンファのファンは―
「最後のご挨拶に来たくて。レッサーパンダ好きにさせてもらってありがとうございました、って伝えに来ました」(大野市から)
「もう19歳、人間で言うともう90歳っていう年なんですけども、その子供、孫、ひ孫、夜叉孫までいるので感謝するような気持ちですかね」(静岡から)
中嶋飼育員も「皆さんに愛されていたんだなと思いますし、私たち飼育員にとっても、ミンファちゃんは特別だったと思います」。
8頭の子供を産み、孫、ひ孫など含めると国内のレッサーパンダの約5頭に1頭がミンファの血を継いでいるということです。
かわいいだけでは語りきれない鯖江の大きな存在。ミンファは今も、レッサーパンダを愛する人々の心の中で生き続けています。