長野県須坂市で、老舗のみそ蔵のみそを練りこんだ「バウムクーヘン」が完成しました。手がけたのは、元地域おこし協力隊の男性で、「みその消費量が減る中、伝統のみそ文化を広げていきたい」と意気込んでいます。

■老舗のみそ蔵で試食会

290年以上の歴史がある須坂市の「田中本家」。

ここで3月21日に行われたのがバウムクーヘンの試食販売会です。

客:
「おいしいね」
「なんか、みそだね」

このバウムクーヘンに使われていたのは―。

NORTH・北直樹さん:
「150年の歴史がある、みそ蔵のみそを使わせてもらってます」

考案したのは、石川県出身で、2025年まで須坂市の地域おこし協力隊として活動していた北直樹さん(39)です。

北直樹さん:
「長野に来て長野のみそ文化に触れて、みそってこんなにおいしいと知って、これを広げていきたいと」

■きっかけは「みそ離れ」

一風変わった「味噌バウムクーヘン」。

作るきっかけになったのは全国的な「みそ離れ」です。

北直樹さん:
「みそ蔵が今、つぶれていったりとか、なくなっていく現実を聞いて」

食の多様化や家庭での調理機会の減少などを背景に、家庭でのみその購入量は年々減少。20年前より約4割も少なくなっています。

みその魅力を多くの人に届けたいと北さんは須坂市のみそ蔵「糀屋本藤醸造舗」に声を掛けました。

糀屋本藤醸造舗・鈴木はるなさん:
「年々消費量は減っているというのは感じます。みそとかのおいしさも素直に伝わると思ったので、(北さんの)取り組みがすごくうれしくて」

1869年創業の糀屋本藤醸造舗。米こうじを使ったみそは、10種類以上あり、使用する大豆、米、塩はすべて国産。伝統的な木おけを使い1年以上かけて熟成させています。

■2年連続で最優秀賞のみそ

バウムクーヘンに使ったのは「蔵出しみそ匠」の赤と白の2つです。

大豆の表面を削る「みがき」という作業で雑味を抑え、他のみそよりもまろやかな塩味が特徴で、スイーツにも合うと鈴木さんが勧めました。

糀屋本藤醸造舗・鈴木はるなさん:
「スイーツとかパンとかには、塩味の面で邪魔をしないおいしさがあると思った。コクとかを出しながらも、みその良さを伝えられる商品かなと」

「匠」シリーズは、県内の職人たちがみそ造りの腕を競う「県みそ品評会」でも、2024年と2025年、2年連続で最優秀賞を受賞した、店の顔といえる商品です。

糀屋本藤醸造舗・鈴木はるなさん:
「違った角度からみそとか発酵食品の良さが伝われば、すごく私たちはうれしい。それをきっかけに、みそっておいしいんだとか、使ってみようとか思ってもらえたらいい」

■半年の試行錯誤で完成

バウムクーヘンには「米粉」を使用。みそとの相性を一番に考えました。

北直樹さん:
「『米とみそ』が1つキーになっていて、米とみそって古くから日本の食の主役だと思うけど、その主役を別の形にして現代の方にフィットする形にして提供したい」

半年ほど試行錯誤を重ね、みそバウムクーヘンが完成しました。

(記者リポート)
「口に入れた瞬間、みその香りがふわーっと広がって、バウムクーヘンの甘さとみそのしょっぱさがとてもマッチしています」

北直樹さん:
「焼き菓子との相性で言うと白みその方が合うけど、赤みそだけだとやっぱ味が強すぎるので、そこのブレンドがこだわり」

■「みそ好きにはたまらない」

試食販売会に訪れた人はー。

東京から:
「今までにない味わいで、みそ好きなのでおいしかったです」

千葉から:
「甘みがそんなに強くなくて、最後にみその塩味が残っておいしかった」

客:
「何と合わせるのがいい?」

北直樹さん:
「個人的には、ワインが合います。意外と白のスパークリングとか合う」

客:
「日本酒は?」

北直樹さん:
「もちろん合います」

■須坂の良いものを伝えたい

みそを使った新しいバウムクーヘン。

産地の須坂からみそ文化の魅力を多くの人に広めていきたい。それが北さんの目標です。

NORTH・北直樹さん:
「須坂に元々あった、良いものをもっとより良く伝えていくというのが私の使命だと。長い歴史がある食べ物があるということ自体がなかなか他ではないことなので、こういう文化を大事にしていきたい」

長野放送
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