静岡県小山町にある道の駅で、前の指定管理者が町と協定を結んだ期間の満了後も施設の明け渡しに応じていない問題で、前指定管理者が納入業者などに営業の継続を“宣言”する書面を送っていたことがわかった。
小山町にある「道の駅 すばしり」の管理・運営をめぐっては、町が町内にあるA社と2026年3月31日までの5年間を指定管理期間とする協定を結び、同年4月1日からは書面審査及びヒアリングを経てB社(愛知県一宮市)が新たな指定管理者になることが決まっているものの、A社が施設の明け渡しに応じていないことからB社が営業できない事態となっている。
このため、小山町は暫定的に町の直営で施設の管理・運営することにしているが、管理権限のないA社による営業が続いているのが実態だ。
A社側は小山町とB社に対して、「指定期間が満了する日以降、速やかに原状回復工事を行った上で次期指定管理者に引き継ぐ意向であることを1月から伝えていた」との声明を4月2日に「道の駅 すばしり」のホームページ上で発表し、原状回復工事に関しては人員不足の影響などから工期が長引くことが予想され、相応の期間にわたって道の駅が営業できなくなることについて小山町が懸念を示したため、「当社の費用負担にて価値向上を図った現状の設備も含めて次期指定管理者に引き継ぐことに向けた協議を行っている段階」との認識を示した。
その上で、「当社も地域への影響を最小限とするべく指定期間満了日までに協議が整うことを望んでおり、本年1月から協議を開始していたものの現在も協議中であり、原状回復工事を実施するか、あるいは実施せずして次期指定管理者への引き継ぎのいずれとなるかが定まっていない状況。当社としては、従前の経緯、現状及び今後の協議も踏まえ、本件の協議を依頼している弁護士と相談の上、道の駅としての機能を維持し、地域経済への影響を最小限とすべく、その趣旨を示した上で、本年4月1日以降も暫定的に本道の駅の営業を継続している」と主張している。
こうした中、A社が3月30日付で納入業者など取引先に対しても、営業の“継続”を表明する書面を出していたことがわかった。
「『道の駅すばしり』の運営継続に関するご案内」と題された書面では「弊社は地域経済への影響を最小限に抑え、特産品の供給体制を維持するため、2026年4月以降も『道の駅すばしり』の営業を継続することといたしました」と“一方的に宣言”し、「弁護士の見解に基づき、町との協議状況に照らして営業継続は妥当であると判断しております。従いまして、お取引先様との取引関係及び決済等についても、これまで通り滞りなく継続させていただきます」と記されている。
また、取引先に対して「万が一、町から直接の連絡等があり、ご不安を感じられるようなことがございましたら、即座に弊社担当までご連絡いただけますと幸いです」とも呼びかけていた。
一方、小山町の込山正秀 町長が「施設の明け渡しと適切な引き継ぎの実現に向け、法的手続きを含め必要な対応を進める」とのコメントを出すなど町は一刻も早い施設の明け渡しを求めていて、B社の担当者も「現時点で声明などを公表する予定はない」としつつ、「小山町が発表した通り」と話している。
A社側はこれまで「ホームページ以外のことは答えられない」と取材に応じていない。