ロアッソ熊本は10年前、熊本地震で一時、リーグ戦を含めた活動を休止するなど困難な状況にありました。当時を知るベテラン、大津町出身の黒木晃平選手はサッカーのできる喜びを感じながら、この10年を過ごしてきました。
熊本地震を知るベテラン・黒木晃平選手
在籍年数はチーム最長13年、ロアッソ熊本のDF・黒木晃平選手36歳、大津町出身です。20代前半の若手が多い現在のチームの中で、10年前のあの時を『ロアッソ熊本の選手』として経験したのは、黒木選手と上村選手。いまや2人となりました。

黒木選手は「(当時)確か寒かった。4月だったけど。(近所の公園で)ビニールシートを敷いて犬たちを抱っこして朝を迎えた」と振り返る。

当時、ホームスタジアムの『うまかな・よかなスタジアム』(現・えがお健康スタジアム)は物資の集積拠点となり、とても試合ができる状況になかったほか、チームには避難所や車中泊での生活を余儀なくされている選手もいて、練習どころではありませんでした。

当時26歳だった黒木選手は練習ができない間、選手たちは支援物資を集めたり、子供たちにサッカー教室を開いたりするなど、ボランティア活動に勤しみました。
「サッカーができるのは当たり前じゃない」
黒木選手は「巻さんを先頭に、グループLINEで情報共有して『あしたここでサッカー教室やります。参加できる選手はお願いします』と。『行きます』『行きます』と。練習はできなかったから、そういう活動がメインだった。その時、サッカー選手は『皆さんの生活にサッカーがなかったところで、何の支障もきたさないな』と。『自分たちの仕事はなくなったところで、何も迷惑をかけることはない…』と。サッカー教室で『ロアッソの選手が来てくれて勇気もらった』と言ってもらえたり、本当に〈ありがたい〉と思った。〈サッカーができるのは、当り前じゃない〉という気持ちになった」と話しました。

その後、地震発生から約半月後にチームでの練習を再開。2016年5月2日活動再開チームの垣根を超えた多くの選手やサポーターの支援もあり、5月15日にはリーグ戦へと復帰し、震災後初勝利となった6月の金沢戦では黒木選手も得点。この時はサガン鳥栖のスタジアムを借り『ロアッソのホームゲーム』が開催されました。

また、その次の試合でも黒木選手はゴールを決め、ロアッソはチームとして困難な状況から立ち上がる姿をファンに届けました。
プロサッカー選手としての喜び
あれから10年。2026年7月には37歳となる黒木選手。プロのサッカー選手である喜びや責任を感じながらトレーニングを重ねます。

黒木選手は「自分たちが好きなサッカーをして応援してもらえて、それが仕事になるというのは本当に幸せなこと。一試合一試合、一日一日を大切に過ごしていきたい。自分も年を重ねて、自身のサッカー人生の先を考えると大体分かってくる。〈どれくらいやれるんだろう〉と。一日一日が貴重。(後輩たちに)『当り前じゃない』と伝えたい」と話しました。
(テレビ熊本)
