18年間におよぶ性的な執着…女性職員への1000通を超えるメッセージが裏付けとなり2025年12月に“セクハラ辞職”した福井県の前知事。その杉本達治前知事の側近として長年支えてきたのが前副知事の中村保博氏だ。中村氏は県議会から責任を追及され、それに応じる形で1年4カ月の任期を残し、2026年3月末をもって辞職した。
前知事のセクハラ“連帯責任”は「承服しかねる」
中村氏は、県職員へのセクハラ問題で辞職した前知事を支える立場だったことから、県議会から早期の辞職を求められていた。
知事選で中村氏の応援を得て初当選した石田嵩人知事(36)は、この議会の要求に対し「6月までに交代させる」との意向を示していた。しかし中村氏は「私がいない方が石田県政にとって良い」と辞職を決意した。
ただ、県議会が前知事のセクハラ問題について“連帯責任”を問うていた事に対しては「承服しかねる」と強く反論。ハラスメント事案に対し県庁の相談体制が機能していなかったことについては責任を認めた一方で「杉本前知事のハラスメント行為に対しての責任がある」という意見については改めて否定した。
自身も県職員2人からパワハラ被害の申告
ところが…県が前知事のセクハラ問題を受けて急きょ、2月に全庁を対象に実施したハラスメントの調査の結果、2人の県職員が中村氏からのパワーハラスメントを申告したのだ。
辞職する3月31日に報道陣の取材に応じた中村氏。長年の県庁生活の充実感を述べた一方で、ハラスメントに関する全庁調査で部下へのパワハラ疑惑が指摘されている事について「知事がセクハラで、私がパワハラ、これは大変恥ずべきことだと思う」と述べた。
退職金の支給は保留か
前知事は特別調査委員会の調査結果を待たずに辞職し、県民への説明責任を果たさないままになっている事を受け、報道陣からは中村氏に対し、調査結果公表後に公の場で説明責任を果たすかどうかについて厳しく追及された。しかし「内容も全く分からないので、中身を見てからだと思う。必要に応じて対応する」と繰り返した。
また、自身のセクハラ問題で辞職した前知事に約6000万円の退職金が支給されたことについて県議会は全額返還を求めていたが、結果的に前知事が提示した1500万円の返還にとどまった。
これを受けて県議会では3月、特別職の退職金について「懲戒免職相当」で支給を制限するよう条例を改正したことから、中村氏に対しては支給が保留される可能性がある。これについて問われると「適正に運営していけばいい。私自身がどうなるという話はあまり考えていない。自然体でいくだけ」と語った。
中村氏は1980年に入庁し、県政策幹などを歴任。杉本達治前知事が1期目だった2019年8月に副知事に就任。杉本氏再選後も再任され、2027年7月までが任期となっていた。
