40代頃から違和感を感じ、60代を過ぎて急に進行し、安静にしていても痛みが出ることもある「変形性股関節症」。メカニズムや予防のエクササイズについて専門医に聞きました。
福井赤十字病院・整形外科代表部長の石川正洋医師に変形性股関節症について話を聞きました。
石川正洋医師:
「股関節というのは臼蓋という受け皿と大腿骨という骨でできていて、その間に軟骨という柔らかいゼリーのようなものが入っていて動いてい。これが何らかの原因で軟骨がなくなると、骨同士が当たって削れてくる病気」
軟骨は、タイヤと同じで年を重ねるとともにすり減っていくため、高齢化に伴い患者数は増加していて、国内には100万人を超える患者がいるとされています。
多くの場合長い時間をかけて進行し「初期は痛みを感じることが少ない」というのが
変形性股関節症の特徴です。
石川医師:
「40歳頃から痛みが出る方が多い。そこから10、20年くらいは痛みがあっても生活できる期間が20年くらいあって、軟骨が減って骨同士が接触し、骨が壊れ始めると急に進むので、60歳頃から急に強い痛くなるパターンが多い」
症状が進行すると歩くたびに痛みが出たり、安静にしていても痛みを感じたりすることもあります。
この病気は「臼蓋形成不全」と呼ばれる、日本人、特に女性に多く見られる体の構造に大きな要因があるといいます。
石川医師:
「元々生まれつきでこの骨のかぶりが少し浅くなっている。受け皿がもう少し深くなって欲しいのが、浅くなってることから、擦り減りが早くなりやすいといわれている」
このほか▼股関節に負荷がかかる体重増加▼加齢▼骨の密度が低くなり強度が低下する「骨粗しょう症」などが原因の一つと言われています。
予防には、急激な体重増加を防ぐことと筋肉をつけることがポイントとなります。
石川医師:
「筋力があった方が有利なので、基本的にはできるだけ股関節には体重が乗ってほしくない、でも筋力はつけてほしいという意味で、1番理想的なのは、プールなどの水中を歩くのが非常にいい」
次に、家で股関節周りの筋肉を鍛えられる簡単なエクササイズを3つ紹介します。
1つ目は、もも上げ運動。股関節の前にある腸腰筋を鍛えます。背筋を伸ばして椅子に座り片脚を持ち上げます。これを15回行います。骨盤が後ろに倒れないよう注意しましょう。
2つ目はヒップリフト。お尻の後ろにある大殿筋を鍛えます。仰向けで膝を立て両足で床を蹴る力でお尻を持ち上げます。これを15回行います。
3つ目はお尻の横にある中殿筋を鍛えます。横向きに寝て脚をしっかり伸ばし上の脚を真上に30センチ程度持ち上げます。これを15回、骨盤を固定して行うのがポイントです。
痛みが出ない範囲で毎日継続することが予防につながります。
変形性股関節症は、体の構造上、日本人がなりやすい病気の一つです。その予防や進行を遅らせるためにも▼適正な体重を保つこと▼股関節周りの筋肉をつける運動を行うことが重要です。
少しでも股関節周りに痛みや違和感があれば、早めに病院を受診するようにしてください。