福井県庁は、前知事による県職員へのセクシュアルハラスメントを受け、職員を対象としたハラスメントに関する実態調査を実施した。その結果、、現在も262人(回答者の6.8%)がハラスメントに悩んでおり、その多くはパワーハラスメントであることが明らかになった。また、3月末での辞職が決まった中村副知事からのハラスメントを訴えいている職員が2人いる事が判明した。
「現在ハラスメントに悩んでいる」職員は262人、パワハラが最多
調査は、全庁的なハラスメント被害の実態と、組織文化の問題点を把握することを目的に2月16日から27日にかけて県が実施。県立病院分を除く全職員約4700人のうち3840人から回答を得た(回答率83%)。
全庁的なハラスメント被害の実態把握調査では、回答者3840人のうち262人(6.8%)が「現在、ハラスメントに悩んでいる」と回答した。これは調査対象者全体の5.7%にあたる。
ハラスメントの種類(複数回答可)としては、「パワーハラスメント」が220人と最も多く、次いで「その他(不機嫌ハラスメント等)」が52人、「セクシュアルハラスメント」が25人、「マタニティハラスメント」が6人と続いた。

副知事からのハラスメント被害は2人、自由記述でも4人
行為者の職級(複数回答可)では、「課長補佐級」が79人で最多となり、「管理職以上(特別職を除く)」が75人と続いた。また、「特別職」からのハラスメントに悩んでいるという回答も3人いて、そのうち2人は中村副知事を、1人は行為者の記載がなかった。その他、自由記述欄で中村副知事について言及したものが4人いたが、いずれも匿名で「人事課による調査を希望しない」と回答している。
行為者との関係性(複数回答可)では、「職場の上司」が167人と突出して多く、次いで「職場の同僚」が55人、「職場の部下」が21人だった。
なお、回答について事実認定した数値ではないとしている。
被害を受けても「何もしなかった」理由は「解決しないと思った」
現在ハラスメントに悩んでいると回答した262人のうち、被害を受けた際の対応については、59%(154人)が「行為者に抗議したり、誰かに相談したり、何らかの行動をした」と回答した一方で、41%(108人)は「何もしなかった」と答えた。
何らかの行動を取った人の具体的な行動(複数回答可)は、「上司への報告・相談」が116人で最も多く、次いで「同僚への相談」(80人)、「家族への相談」(57人)と続いた。これらの行動により、27%の事案で改善が見られたという。しかし、行動後の変化を見ると「何も変わらなかった」が67人で最も多く、「問題は完全に解決した」はわずか3人だった。
一方で「何もしなかった」理由(複数回答可)としては、「何をしても解決しないと思った」が67人で最多となり、「職務上不利益が生じると思った」(54人)、「職場の人間関係が悪くなると思った」(48人)が続いた。
また、人事課による調査を希望するかという問いに対しては、「希望する」と回答したのは39人(15%)にとどまった。「希望しない」と答えた223人の理由(複数回答可)は、「調査しても改善しないと感じる」が116人で最も多く、「行為者を刺激し報復されないか心配」(110人)、「自身に不利益が生じないか心配」(90人)という回答も多かった。
過去のハラスメントがあった職場は「コミュニケーション不足」、現在は6割が「改善」
県庁の組織文化における課題を探る調査では、過去にハラスメントの「被害を受けたもしくは相談を受けた」経験がある人のうち、何らかの行動を起こした人は全体の19%(710人)だった。その際の行動は「上司への報告・相談」(435人)が最も多く、それらの行動によって40%が改善したと回答している。
ハラスメントがあった当時の職場の雰囲気(複数回答可)については、「悩み・意見を上司に伝えにくい」が736人で最多、次いで「上司・部下の会話が少ない」(542人)となっており、職員間のコミュニケーションが不足している傾向がうかがえる。
現在の職場と比較すると、「改善されている」「やや改善している」との回答が合わせて約6割を占めた。
当時どのようなサポートがあると良かったかという問い(複数回答可)に対しては、「行為者と被害者の引き離し」が793人で最も多く、次いで「第三者相談窓口の設置」(623人)、「行為者の懲戒処分」(622人)が挙げられた。なお、庁内に相談窓口があることを「知っていた」のは39%(1,501人)で、「知らなかった」が58%(2,224人)と半数を超えた。
当時どのようなサポートがあると良かったかという問い(複数回答可)に対しては、「行為者と被害者の引き離し」が793人で最も多く、次いで「第三者相談窓口の設置」(623人)、「行為者の懲戒処分」(622人)が挙げられた。なお、庁内に相談窓口があることを「知っていた」のは39%(1,501人)で、「知らなかった」が58%(2,224人)と半数を超えた。
前知事のセクハラ「受けていた」5人、「見た・聞いた」44人
前知事のセクシュアルハラスメントに関する調査では、3258人が回答(回答率70%)。そのうち「セクシュアルハラスメントを受けていた」と回答した方は5人、「相談を受けた、見た・聞いた」と回答した方は44人だった。

被害を受けたと回答した5人のうち4人は、被害に対して「何もしなかった」と回答。その理由(複数回答可)として最も多かったのは「ハラスメントを受けた事を忘れたかった」(4人)だった。
また「相談を受けた、見た・聞いた」と回答した44人のうち、41人が「何もしなかった」と回答。その理由(複数回答可)として最も多かったのは「知事が行為者だったから」(10人)であった。被害内容としては、「報告書同様」や「性的なLINEのやり取り」、「飲み会で手を握られる」といった回答が寄せられた。

当時どのようなサポートがあると良かったかという問いに対しては、被害を受けた、相談を受けたり見聞きしたの双方で「人事課を経由しない、第三者相談窓口の設置」を求める声が最も多かった。
今回の調査結果を受け福井県は、人事課による調査を希望した事案については、被害者・加害者の双方に聴き取りを実施するほか、特別職に関するハラスメント事案について、詳細な状況把握のため、第三者相談窓口への情報提供を4月15日を期限に依頼する。
