静岡市の中心部、駿府城公園にはかつて蒸気機関車D51が展示されていた。この機関車、移設を重ねて引退から半世紀、現在はなんと動いているというのだ。懐かしの機関車の行方を追った。
1976年に静岡へやってきた蒸気機関車
テレビ静岡の資料室には、1968年の開局から約60年分(2026年時点)の映像が保存されている。
にむらあつとリポーターは、かつて駿府城公園にあった蒸気機関車を調査するために、1976年に撮影された映像を視聴。そこには蒸気機関車がさっそうと走る姿が映っていた。しかし、機関車が自走しているのではなく、別の電車にけん引されている。

所定の場所に到着後、作業員が丁寧に機体を掃除し、セレモニーが行われていた。「D51 146」と書かれたプレートが渡され、機関車のフロント部分に貼られている。
これは蒸気機関車D51が駿府公園(現在の駿府城公園)にやってきたときの映像のようだ。

このD51型蒸気機関車は、1938年に日本車両によって製造され、北海道内を走っていた。1975年に引退して、翌年から静岡市で展示されていたそうだ。
しかし2026年現在、公園に機関車の姿はない。かつての人気者は一体どこへ行ってしまったのだろうか。
駿府公園時代は児童館の横に
まずは駿府城公園で現地調査を行った。機関車があったのは、かつて児童会館と呼ばれた建物の横。駿府城公園で情報を集めると、当時を知る市民からSLに関する話を聞くことができた。
駿府城公園に来ていた男性:
当時は待ち合わせ場所とかに使っていました。公園の中のシンボルみたいな感じです。20年ぐらい前になくなって、つまらなくなりました
子供たちに大人気だった機関車D51だが、2003年の児童会館の閉館に合わせて姿を消してしまったのだ。駿府城公園のシンボルとして親しまれていたという機関車。なくなったことで寂しさを感じた人も多そうだ。
さらに聞き込みを続けると、児童会館が閉館したあと、城北公園(葵区大岩本町)へ移動したという情報を入手しました。
城北公園で見つけた意外な姿
駿府城公園から北へ直線距離で約1kmの場所にある城北公園へ。そこで見つけたのは、なんとSL型の遊具。D51の愛称・デゴイチから「デゴイチくん」という名前がついている。
では、本物の機関車はどこへ行ったのだろうか。
聞き込み調査を続行すると、城北公園からさらにどこかへ移設されたことがわかった。当時は話題になったということで、改めてテレビ静岡の資料室で過去の映像を調べてみる。
栃木県の鉄道博物館へ移設
そこで見つけたのは「城北公園 デゴイチ 送別会」という2015年の映像。
D51は城北公園で行われた送別会のあと、SLのまちとして知られる栃木県真岡(もおか)市へ無償譲渡され、「真岡鉄道 SLキューロク館」という鉄道博物館へ移設されたことがわかった。

移設先の栃木県では走っていた!
真岡鉄道に電話取材をすると、現在の状況を教えてくれた。
真岡鉄道・星野尚孝さん:
圧縮空気を利用して、走行するように整備されています。本線を走るのではなく、「SLキューロク館」の敷地内、約30mを往復して走行しています

なんと、児童会館の横にあった蒸気機関車D51は、栃木県では圧縮空気で走れるようになっていた。体験乗車もできる。静岡県から真岡市を訪れ、かつて駿府城公園や城北公園にあったD51を見学する人もいるそうだ。
静岡市民に親しまれてきたD51は、栃木の地で新たな命を吹き込まれ、想像以上のよみがえりでパワーアップしていた。
(テレビ静岡)
