「ヘアドネーション」という取り組みをご存じでしょうか。
ヘアは「髪」、ドネーションは「寄付」で、医療用ウィッグをつくるために、髪を寄付する活動のことです。
病気で髪が抜けてしまった人のために、4年間、髪を伸ばし続けた小学生を追いました。
仙台市青葉区の小学6年生、千葉豪太さん(12)です。4月から、中学生になります。
同級生「いつも優しくしていただいてます」
Q伸ばし始めたときのことを覚えてる?
同級生「覚えてないです」「気づいたら女子よりも長い」「切ったのが想像できない」
3年生のときから、髪を伸ばし始めました。きっかけは、母・倫子さんが、乳がんを患ったことでした。
母・倫子さん
「乳がんの病気とか治療を調べているときにヘアドネーションという活動を知って、彼に伝えたところ、髪を伸ばし始めた」
「ヘアドネーション」。病気で髪が抜けてしまった人などのために髪を寄付する活動です。寄付された髪は、医療用ウィッグづくりに役立てられます。
乳がん治療中の、60代女性です。抗がん剤治療を始めてから、髪が抜け始めたといいます。
乳がん治療中の60代女性
「初めはパラパラという感じでしたが、翌日、その翌々日と1日経過するごとに量が増えてきて、やはりどうしてもネガティブなことばかり考える日々ですけれど、ウィッグを持つことで気軽に自分の行きたい場所や仕事はもちろん、外出する頻度が多くなる幅が広がった。もしウィッグがなかったらと思うと、仕事は続けることは無理だった」
全国からヘアドネーションを受け付けている団体が複数あるなか、そのうちの1事業者によりますと、寄付者数は、2021年に3万6千人を超えました。
その後、寄付条件を長さ31センチ以上などに引き上げたこともあり減少傾向にありますが、去年も1万人以上が、協力したということです。
外見の変化にも悩まされる患者に対し、ヘアドネーションを紹介している医療機関もあります。
東北労災病院看護師 浜中直美さん
「『脱毛するなら治療を受けたくない』と治療選択に影響するほど悩まれる患者さんもいらっしゃいます。ウィッグに対するネガティブな思い込みが少し変わるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。抗がん剤治療という選択を前向きに考えられるように支援することも、私たちの役割だと考えています」
病気と闘う人たちの悩みなどを知り、髪を伸ばすことを決めた豪太さん。迷いを感じることもありました。
千葉豪太さん(12)
「一応男なんで、こんな自分でいいかなみたいな感じはあります。普通伸ばさないじゃないですか。だから抵抗感はありましたけど、伸ばそうと思いました」
質のよい髪を届けるため…毎日、ていねいに、手入れをしてきました。
4年間、伸ばし続けた髪を、切る日が来ました。
美容師 佐藤大輔さん「いらっしゃいませこんにちは」
千葉豪太さん「失礼します」
美容師 佐藤大輔さん「お待ちしておりましたよろしくお願いします」
髪の長さは、寄付に必要な31センチを大きく超える、60センチにまで伸びていました。最初にハサミを入れたのは、母・倫子さんです。
母・倫子さん「いくよ」
千葉豪太さん「怖い」
母・倫子さん「切れました」
千葉豪太さん
「言葉じゃ表せない。病気などで髪がない人たちに大切に使ってほしいなと」
母・倫子さん
「誇らしい気持ちです。4年間頑張ってくれて」
美容師 佐藤大輔さん「どうぞ」
千葉豪太さん「ありがとうございます」
美容師 佐藤大輔さん「大切に」
千葉豪太さん「長いですね」
切った髪は、医療用ウィッグを提供する団体を通じて、希望する人のもとに届けられます。
千葉豪太さん(12)
「これから人生で髪がきれいなうちに何回かヘアドネーションをしたいと思っているので、僕の髪でもためになる人たちを思って伸ばします」
病気と闘う誰かを思い…豪太さんは、再び、ヘアドネーションに取り組み始めます。