春闘の集中回答日を迎え、大手企業を中心に満額回答が相次いでいます。賃上げに注目が集まる一方、今企業が力を入れているのが「福利厚生」です。無料パンから本格サウナまで、様々な取り組みが広がっています。
■賃金アップだけじゃない…企業が注目する「福利厚生」
18日に集中回答日を迎えた春闘。トヨタ自動車が最も高いケースで月に2万円以上の賃上げになるなど、大手企業が多いこともあってか、組合要求への満額回答や高い水準での回答が相次ぎました。

賃金アップに注目が集まりがちですが、今企業が力を入れているのが、社員の「福利厚生」です。
2月に名古屋で開かれた「福利厚生EXPO」。福利厚生のサービスを提供する会社が、企業に売り込むイベントです。
会社の近くにある飲食店の食事代を補助するシステムや、社員が使える酸素カプセルまで、様々な福利厚生のブースが並んでいました。

結婚式用品の通販事業:
「今は物価が高くて、食事系が求められているんだろうなと思っていて、コンビニに行っても高いじゃないですか」
鋼材販売会社:
「会社の現場職は周りにお店がないので、いつもワンパターンのお弁当を配送していて、もうちょっとバリエーションを選べるようなものがあったらいいよねという話をしていたので」
不動産業:
「福利厚生でもエンゲージメントを高められるものがないか見に来ました。コミュニケーションの場はつくるようにしています」
■月に1度の「パンの日」さらにスタバも無料!
タオルや雑貨など、繊維用品の企画から販売まで行う、名古屋市守山区の「丸眞」。
月に1回、社員に無料でパンを提供していて、カレーパンや菓子パンなど10種類から1人何個でも選ぶことができます。

社員ら:
「外食をするとかなり費用がかかってしまうんですけど、会社に福利厚生としていただいているので、とてもありがたく思っています」
「パンの日だと、普段話さない人とも『これおいしいね』とか話すきっかけになるので、会話が弾みます」
さらに、スターバックスのコーヒーに、冷蔵庫のパックジュースはいつでも無料。各フロアに置かれている沢山のお菓子も無料です。

丸眞の眞崎光江さん:
「物価高や最近の働き方の多様性も鑑みまして、給与だけではなくて生活を支えてくれる制度。食べるというのは生活に欠かせない部分でありますので」
■サウナを導入した企業も 業績も健康にもプラス?
愛知県に拠点を置き、自動車や航空機の設計などを手掛ける「タマディック」。
事務所の最上階にサウナを設置し、社員だけでなく、その家族や取引先などが無料で楽しめます。

大のサウナ好きの森實社長が導入したということです。森實社長は、サウナ発祥の地・フィンランドで学び、大使館からサウナマスターにも認定された“つわもの”ですが、社長の道楽ではなく“ちゃんとした理由”がありました。

この日、社長と一緒にサウナに入っていたのは、社員が仕事で知り合ったスタートアップ企業や自治体の職員。自然と会話が弾みます。
タマディックの森實敏彦社長:
「オフィスサウナなので、話しやすくするためにL字型にしています。健康的な習慣もつくし、社員同士やお客さまや取引先さま、いろんな方と仲良く、いろんなことを話しながらサウナに入ってほしいと思ってつくりました」
自治体職員:
「初めて会う人がいるので、これで仲良くなれそう」
起業家ら:
「当然パソコンとスマホを持っていない状態で入るじゃないですか、裸一貫で自分の魅力をちょっとしゃべるみたいな感じ」
「うちは将来つける予定です。今日決めました」
社員:
「いつも入っていますけど、今日は特に外の方と一緒にというので、いつもとは違う話もできて、いい交流の機会になっています」

このサウナ効果は、業績にも表れているということです。
タマディックの森實敏彦社長:
「4年ぐらい経っていますけど、社員同士のコミュニケーションは明らかに増えたと思います。業績も毎年伸びていますが、健康上の数字も毎年良くなっているのが特徴です。生産性も20~30%上がっていますね」
タマディックでは4月、一宮市に新たに開く事務所にもさらに広いサウナを設置しました。賃金だけではなく、企業の福利厚生への工夫は今後も加速しそうです。
