北陸新幹線が福井まで延伸し2年が経ちました。北の玄関口、芦原温泉駅周辺は新幹線開業に合わせてにぎわいの拠点が整備され、竜王戦が2年連続で開催されるなど大きく変化を遂げました。
一方で開業“特需”が一服する今後、にぎわいをどう継続していくのかが問われています。
あわら市で開催された将棋界最高峰の戦い「竜王戦」。繰り広げられた一流棋士の対局は、一度きりではありません。2年続けて、タイトル戦が同じあわらで開かれました。
森之嗣市長
「まさか2年続けて開催ができるとは思ってなかったですね。これはやっぱり、あわら市にとって、あわら温泉にとって非常にインパクトが強かった」
新幹線開業に合わせて整えた場所に、竜王戦というコンテンツが重なり、その効果は盤上の外にも。
対局と並んで注目されたのが、 棋士が対局中に味わう“勝負めし”です。地元の飲食店が協力し、2日間で用意されたメニューは、1年目の38品目から2年目は45品目へと増えました。
藤井竜王ら棋士が選んだ“勝負めし”や“勝負おやつ”を提供した店には、対局後もファンらが詰めかけました。
大阪から訪れたファンは―
「棋士と同じものが食べられるので、ワクワクしている」
藤井竜王が「大根おろしの辛味が強いことに少し驚いた」というそば店「越前そば処 福乃家」にも、棋士と同じものを味わおうと次々と客が訪れました。
店主の寺尾毅さんは「あわら温泉が盛り上がってくれればありがたい。北陸は頑張っていると知ってもらう意味でも、これをきっかけに色んなところから観光客が訪れてくれれば」と期待を込めます。
東京から訪れた女性客は「金沢まで来ることはあっても、その先に行くことはなかったので、北陸新幹線のおかげ」と話します。
新幹線開業1年目、人を呼んだのは新幹線そのものでした。
そして2年目、人を呼んだのは竜王戦というコンテンツです。さらにグルメが、その熱をまち全体へ広げました。
藤井竜王が何度も“勝負おやつ”に選んだフルーツサンドや大福を提供する「みやび」の坂井雅義代表は「新幹線の効果はあまり実感できていないが竜王戦の効果は絶大だった。竜王戦を機に、まちがもっと盛り上がってくれれば」と話します。
また森市長は「飲食店関係の事業者が頑張ってくれた。勝負めしとか、勝負おやつとか、勝負ドリンクとか、あれだけのメニューをそろえられたのは 全国でもあわらが最初だと言われた」と胸を張ります。
そのコンテンツは、飲食から宿泊へ、温泉街と広がりました。
駅前の交流施設アフレアでは、週末、竜王戦に合わせて将棋の子供向けイベントが開かれました。
プロの棋士と交流した地元、金津高校の生徒は「地元が活性化してくれるので、こういうイベントをもっと開いてほしい」と笑顔で話します。
整備してきた箱は、確かに機能しています。ただ、それは特別な日だけの光景だといいます。
「やっぱり(人が集まるのは)土日なんですよ。イベントを開催する時でないと、なかなか人は集まってもらえない、というのはありますね」(森市長)
問われているのは、その使い方。熱狂を日常へ。2年続いたからこそ、次の一歩が問われます。
将棋のまちとして進んでいくのか、それとも別のコンテンツを呼び込んでいくのか―
あわら市・森之嗣市長:
「今のところ私としては、こっちだあっちだというのは決めかねている。何を目的に、あわら温泉で何をするのか、もう一つ客を引き込むために関心を持ってもらうことが足らない。2泊3泊してもらえる温泉にしていかないといけない」
新幹線開業2周年。開業効果は自然には続きません。コンテンツをどう育てていくのか。その答えは、これからの積み重ねにかかっています。