東日本大震災で町の職員40人が犠牲となった岩手県大槌町の旧役場庁舎跡地では、3月11日、遺族の男性が現地を訪れ亡くなった娘への思いを語りました。
東日本大震災から15年を迎えた3月11日、「遺族有志の会」代表の小笠原人志さんは、大槌町の中心部にある旧役場庁舎跡地を特別な思いで訪れました。
震災当時、旧役場庁舎には2階の天井まで津波が到達し、職員40人が亡くなりました。
当時26歳だった小笠原さんの長女・裕香さんも犠牲者の一人です。
遺族有志の会代表 小笠原人志さん
「(公務員だから)自分の命を懸けても町民を守れるのかと話したときがあった。あれを言わなければ今も生きていたのかな」
旧役場庁舎は2019年に解体されましたが、2025年12月、震災の悲劇や教訓を語り継ごうと「遺族有志の会」などが跡地に「伝承と追憶の碑」を建立しました。
石碑はあくまで「伝承」が目的であり、手を合わせるなど「追悼」することは認められていませんが、小笠原さんにとってはかけがえのない場所です。
遺族有志の会代表 小笠原人志さん
「ここに庁舎があって午後10時を過ぎると帰ってくる姿を(送迎の際)ずっと見ていたので、ここに来れば娘と会えたような気がする」
小笠原さんは「石碑を通して『人命を守ることが最大の公益』という教訓が伝わってほしい」と願っていました。