東日本大震災から2026年3月11日で15年です。
岩手県の各地で新たなまちづくりが進んだ一方、空き地が目立っていたり一部で工事が終わっていない現状もありますが、被災地がどんな状況にあるのかをデータを元に見ていきます。

まずはハード面です。

国が整備した復興道路・復興支援道路は2021年までに全線開通しました。

宮古盛岡横断道路の開通で宮古市と盛岡市の間の所要時間は約35分の短縮、釜石自動車道の開通で釜石市と花巻市の間の所要時間は約30分短縮、そして三陸自動車道の開通で久慈市と陸前高田市の間の所要時間は約1時間45分の短縮となりました。

観光や物流、救急患者の搬送など様々な面でメリットがある一方、ハード面の復興はまだ終わっていないものもあります。

県や市町村が整備する防潮堤などの津波防災施設のうち、唯一宮古市の「閉伊川水門」は整備が終わっていません。
地盤改良が必要になったことなどから、完成は当初の計画から11年遅れの2027年3月となる見込みです。

国が整備する湾口防波堤も釜石港と大船渡港では完成していますが、久慈港では資材高騰による予算の見直しなどで時間を要し、完成は当初の計画から5年遅れの2033年度となる見込みです。

続いては、被災した宅地から高台へと移る防災集団移転促進事業についてです。

県内で自治体が買い上げた土地約322 haのうち、活用する用途が決まっているのは202 ha、率にして63%にとどまっています。(2024年12月末時点・国調べ)

また土地区画整理事業によりかさ上げされた土地は県内で297 haありますが、このうち活用する用途が決まっているのは183 ha、率にして62%にとどまっています。(2025年12月末時点・国調べ)

続いて人口です。

県によりますと、沿岸12市町村の推計人口は2月1日時点で19万9650人となり、20万人を割り込みました。

震災前(2011年3月)に比べると7万3000人ほど減っていて、その減少率は26.9%となっています。
内陸や県外へ移転せざるを得なかった人も多かったとは思いますが、人口減少は深刻です。

一方、沿岸部の観光客数は増加傾向となっています。(岩手県まとめ)
2024年は約504万人となっていて、10年前の2014年に比べて約67万人増加しています。

また県内では宮古港を中心にクルーズ船の寄港が増えていて、2025年度は過去最多の18隻に達しました。

2026年度は30隻が寄港する予定で、海外の乗客らが周遊することによる経済効果の拡大が期待されます。

次は沿岸の基幹産業である水産業です。(岩手県まとめ)
震災後の漁業者の減少や温暖化などによる不漁の影響で、魚市場での水揚げ量は落ち込んでいます。

2024年度の県内の魚市場での水揚げ量は約7万3000トンと震災前に比べ57%も減少しています。

養殖の生産量も1万6000トンあまりと、震災前に比べると65.5%減少しています。

続いて災害公営住宅です。(2025年12月時点・県調べ)
県内では17市町村に5833戸が整備されていて8471人が入居しています。

災害公営住宅ではこれまで被災者の見守り事業が行われてきましたが、それに対する国の財政支援が3月で終了となります。
ただ陸前高田市と山田町は4月以降も自治体として見守り事業を継続する方針です。

そうしたなか、県が被災者向けに設置しているこころのケアセンターへの相談件数は年々増加していて、2024年度は1万1390件と2023年度から3306件も増えています。

時間の経過に伴い、被災者が抱える問題が多様化していることなどが原因とみられています。

そして県が2026年1月に沿岸の住民を対象に行ったアンケートの結果、地域経済が「回復した」または「やや回復した」と答えた人は46.7%にとどまっています。

交通ネットワークは整備されたものの、人口減少・水産業の不振・物価高騰などで活気が感じられないという声があったということです。

ハードの整備が進んでも、依然様々な課題があるのが被災地の現状となっています。

岩手めんこいテレビ
岩手めんこいテレビ

岩手の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。