3月11日、それぞれの午後2時46分を迎えた。福島県いわき市の男性は15年間あの日と向き合い続けている。

「あー、なっちゃん、もう15年だ。早いもんだ」福島県いわき市の鈴木順一(すずきじゅんいち)さん(68)。3月11日は必ず、この場所を訪れる。法蔵寺の墓前に話しかける鈴木さん。「なっちゃんのハンカチだ、これ。なっちゃんが子どもの頃、使ってたハンカチだ」

■妻と娘が津波の犠牲に
いわき市平薄磯地区。震災で115人が犠牲となった。鈴木さんの妻・富士子(ふじこ)さん(当時52)と、埼玉県の大学から帰省していた娘・夏美(なつみ)さん(当時19)。市内で地震に遭い、帰宅途中の薄磯地区で津波に巻き込まれた。
鈴木さんは「もう思い出さない日はないです。毎日やっぱり。もう四六時中やっぱり娘のこととかはずっと四六時中頭ん中にあるし。娘と再会した時には、『怖かったろうな。冷たかったろうな』ていう声かけ(をした)」と話す。

■剣道の稽古に励む娘の姿
小学1年生から高校3年生まで剣道に打ち込んでいた夏美さん。稽古に励む姿が忘れられない。「これが娘が高校の時、着けていたゼッケンなんです。ずっと娘のゼッケンを着けて稽古してたんですけど。いつでも近くに感じていたというのもあるし」と語る。

■心から離れない「後悔」
あの日から15年。ある「後悔」を抱き続けている。「家内には地震あったって、いわきはそういう(津波の)災害のないとこだから、大丈夫だからっていうのは、家内には常日頃話してたんですよ。だから半分私にも責任があるんで。2人には申し訳なかったなっていうのは、ずっとこれは頭から離れない、心から離れないです」と話す鈴木さん。
「地震があったら、とにかく『海岸には近づくな』と。あとは、まず自分の身の安全を優先してとにかく『高台にとりあえず避難する』」と語る。

■妻と娘の分まで
いわき市で行われた追悼式。午後2時46分、鈴木さんは静かに祈りを捧げた。「少しでも元気で家内の分も、娘の分も長生きしなきゃいけないと思って、これからもずっと頑張っていきたいと思います」
3月11日。鎮魂の祈りを捧げる一日となった。

福島テレビ
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