島根県松江市の農業機械メーカー「三菱マヒンドラ農機」が3月2日、ルーツとなる農業機械の製造販売事業から2026年度上期で撤退し、会社を解散すると発表しました。
この三菱マヒンドラ農機には、自動車産業などと同じように部品などを供給する関連企業が数多く存在していて、影響が懸念されています。その関連企業の表情を取材しました。

田中祐一朗記者:
3月2日に会社の解散が発表された三菱マヒンドラ農機、多くの取引先がある東出雲町でも大きな影響が懸念されています。

三菱マヒンドラ農機の関係企業は島根県内に約70社あるといわれ、中でも松江市東出雲町に集中しています。
このうち創業から60年に渡って取引をしているというこの企業では、長年の取引先の解散に困惑しきりです。
企業名を明かさない事を条件に、取材に応じてもらえました。

取引先企業:
いよいよこの時が来たという感じが一番です。このタイミングで清算まで行くのかというのは驚きでした。

この会社では、三菱マヒンドラ農機が生産する農業機械に部品を提供してきましたが、近年は発注が不安定になり、直近では生産計画が伝えられなかったことなどから経営状態を不安視していたといいます。

取引先企業:
この1年の話だけじゃなくて、10年、15年、20年とか、徐々に下がっていったところはあったと感じている。

この会社では、三菱マヒンドラ農機からの発注がピーク時には売り上げの5割を占めていたものの、近年は約2割弱までに落ち込んでいたといい、いわば“不幸中の幸い”で経営への影響は限定的だといいます。

ただ大口の取引先である事には変わりなく、直接的な影響とともに今後への不安も大きいとしています。

取引先企業:
三菱さんの仕事があったからこそ、そのほかの会社の仕事ができるようになったのもある。2割の穴埋めも簡単ではないですし、国内の農機具事業というのはやはり落ちているので、どういう風に生き残っていくのか。

また、三菱マヒンドラ農機と50年以上取り引きを続ける松江市内の会社では、今でも売り上げの約半分を三菱マヒンドラ農機との取り引きが占めているといい、今回の解散発表には「面食らった」と話します。

今のところ4月初めまでの発注は確保されているものの、それ以降の見通しは不透明で、取り引きがなくなれば、従業員の雇用継続が難しくなる恐れがあるといいます。

この会社には3月3日、県や市、商工会議所の担当者が訪ねてきたということで、関係機関の支援を受けながら、今後の新たな収益の柱を模索したいと話していました。

こうした中、島根県と松江市は3日、緊急対策の合同会議を開きました。
会議には、三菱マヒンドラ農機の担当者も呼んだのをはじめ、国の島根労働局・ハローワーク松江のほか、商工会議所など地元経済団体などが出席しています。
出席者は、約900人にも及ぶ従業員に対する今後の就業支援など最重要対策について協議を開始しました。

事業撤退後は、機械のアフターサービスの担当として50人が従事するとしていますが、900人以上が会社と本人合意による退職という形をとります。
県内70社以上のサプライヤーも含めて今後の対応が大きな課題となっています。

TSKさんいん中央テレビ
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