今年で公式確認から70年となる水俣病についてです。メチル水銀による影響を調べる不知火海沿岸住民の健康調査について、環境省は本格的な調査の前段階の『フィージビリティ調査』が終了したと明らかにしました。
25日午後、環境省の伯野 春彦 環境保健部長などが水俣市を訪れ、水俣病被害者・支援者連絡会との実務者協議を行いました。
この中で環境省は水俣病の原因物質であるメチル水銀による影響を調べるための不知火海沿岸住民の健康調査について、「先行して行う『フィージビリティ調査』が計画通り終了した」と報告しました。
調査は、1975年より前に生まれた、天草市と上天草市の住民800人を無作為で選び、依頼状を発送。
このうち32人が調査に協力し、去年11月下旬から1月下旬にかけて熊本市と水俣市の医療機関で問診や診察、脳磁計やMRIを使った検査が行われました。
環境省は「1日当たり最大4人、問題なく調査を行えることが確認できた」として「今回の先行調査の結果を今後、専門家と分析し、来年度以降の本格的な調査につなげたい」としています。
一方で脳磁計やMRIを使った検査手法の見直しを求めている被害者団体からは「国が進めるやり方では水俣病の全容解明や住民の不安の解消にはつながらない。我々が提案している従来の手法で被害拡大の実態調査をしてほしい」との意見が出され、議論は平行線をたどりました。
【水俣病被害者・支援者連絡会 山下 善寛 代表】
「『患者の意見に耳を傾ける』と言いながら『聞き置く』だけ。(環境省は)『私たちは私たちでやります』という印象。被害者の意見を無視した形で推し進められるのではないかと非常に心配している」