施設や労働力が足りないという課題に挑む、0歳から100歳までが集う新しい福祉施設です。
スタッフの人手不足が深刻化する介護や保育の現場。
シニアの暮らしを支えるデイサービスの施設数は年々、減少。
一方、共働き世帯の増加などにより、放課後に子供が過ごす「受け入れ施設」も足りていないという課題が。
こうした「介護」と「子育て」という2つの課題を一緒に解決する「新しい福祉の形」とは。
東京・江東区に2024年に誕生した、複合型の福祉施設「深川えんみち」。
「従来の福祉施設」が高齢者のみ・子供のみと世代ごとのサービスを提供するのに対して、「深川えんみち」が力を入れているのが、介護と保育が共存する「多世代共生の福祉施設」という形で、集まるのは0歳から100歳までです。
1階には高齢者のデイサービス、2階には学童保育クラブ・子育て広場が併設。
少子高齢化・労働力不足が深刻化する中、各分野が垣根を越えて連携し、介護と子育てを地域の皆で支え合う「新しい福祉の形」を広げていきます。
「学童保育クラブ」利用者:
帰ってきたら、必ず「ただいま」って。おばあちゃんから「おかえり」って。90代くらいのおばあちゃんとも仲良くなった。
施設内では、誰もが自由に行き交うことができる開放的な廊下や交流スペースを設計。
「子育て広場」利用・乳幼児の保護者:
生後3~4カ月から通っていて、「おばあちゃん、おじいちゃん」と子供が呼んでいる。施設を1周して1階と2階に。
高齢者と子供が、日常的な会話やあいさつが自然に生まれる動線も作っています。
さらに、多彩なイベントやレクリエーションを通して、子供が高齢者に勉強を教えてもらったり、一緒に工作を楽しむ姿も。
「デイサービス」利用者(97):
2人の子供が、私は手が動かないからリースを作ってくれて。「体、大丈夫か?」と心配してくれたり。車いすも押してくれたり。
働くスタッフにも好循環が。
介護や保育など、各分野のプロフェッショナルが垣根を越えて連携し、情報交換。
子供や高齢者、一人一人の小さな変化にも気付ける質の高いケア・支援を実現しています。
「深川えんみち」・押切道子さん:
今までの福祉は周りと関係を持つのが難しかった。皆で子供を見たり、おじいちゃんやおばあちゃんを見守る。スタッフや利用者も皆が“ごちゃ混ぜ”になって生活する。
さらに、地域とのつながりを深めたいという思いから、1階に誰でも立ち寄れる「私設図書館」を設けました。
本を読む、借りるだけでなく、本棚を借りておすすめの本を並べられる「オーナー制度」も用意。
「深川えんみち」・押切道子さん:
70人ほどのメンバーが出入りしてくれて。施設を通して福祉に関わる人も増えている。学童のイベントを主催してくれたり、自分ごととして福祉を捉えてもらいたい。