広島県教育委員会が県立高校の大規模再編を実施するにあたり、計画の素案を公表した。
背景にあるのは急速に進む少子化だ。学校の統合は地域や卒業生の思いにも関わる問題であり、県民の賛否が交錯している。
「1学年4クラス」下回る18校が対象
県教委は2月16日、県立高校18校を統合し7校に再編する計画案を明らかにした。早ければ2029年度から段階的に実施する。少子化を背景に、2033年度時点で「1学年4学級」を下回る見込みの都市部の県立高校を再編する方針だ。
対象は次の18校である。
・呉工業高校と呉商業高校(呉市)
・海田高校と安芸南高校(海田町・広島市安芸区)
・賀茂高校と河内高校(東広島市)
・竹原高校と忠海高校(竹原市)
・三原高校と三原東高校(三原市)
・高陽高校、高陽東高校、安西高校(広島市安佐北区・安佐南区)
・松永高校、沼南高校、福山誠之館高校〈定時制〉、福山葦陽高校〈定時制〉、東高校〈通信制〉(福山市)
呉市と尾道市の4校は“保留”
当初は22校を9校に再編する案だったが、呉市と尾道市からの要望を受け、両市が生徒確保に取り組む方針を示したため、次の4校は当面保留となった。
・呉三津田高校と呉宮原高校の統合保留(呉市)
・尾道北高校と尾道東高校の統合保留(尾道市)

県教委・教育改革課の今川浩之課長は「市が学校の存続に向け、生徒数の確保に取り組むと表明した。効果を検証したうえで改めて統合の是非を判断する」と説明している。
呉市民からは不安の声が聞かれた。
娘の進学を控える母親は「統合したあと倍率がどうなるのか気になります。どちらも伝統ある高校なので、できたら残ってほしい」と話す。
別の市民は「母校の名前がなくなるのは寂しい。卒業生が話し合える場があれば」と語った。
少子化で中3の生徒数“半減”
広島県内の中学3年生の在籍者数は右肩下がり。1988年度は4万8780人だったが、2023年度には2万5234人まで減少した。さらに推計では2033年度に2万1077人まで落ち込む見込みである。
生徒が減れば教職員数も限られ、授業の選択肢が狭まるなど教育環境の維持が難しくなるほか、高校無償化の影響で都市部を中心に私学志向も高まっている。県教委は再編によって県立高校を一定規模確保し、多様な学びを支える環境を整えたい考えである。
一方で、さまざまな声が上がる中、県教委は県民の意見をメールや郵送などで3月18日まで募集し、4月に具体的な実施計画を策定する予定だ。
(テレビ新広島)
