プレスリリース配信元:株式会社帝国データバンク
全国「社長年齢」分析調査(2025年)

株式会社帝国データバンクは2025年末時点における全国の「社長年齢」の状況について調査・分析を行った。
SUMMARY
2025年末時点での社長の平均年齢は60.8歳となった。社長交代率が3.84%と低水準にとどまるなか、平均年齢は35年連続で過去最高を更新している。都道府県別では、最も高齢なのは「秋田県」の62.6歳、最も若いのは「三重県」と「沖縄県」の59.7歳だった。
本調査では、企業概要ファイル「COSMOS2」(約150万社収録)から2025年12月時点における企業の社長データ(個人、非営利、公益法人等除く)を抽出し、集計・分析した
社長の平均年齢は60.8歳、35年連続で過去最高を更新
全国の社長年齢が判明した企業を対象に2025年の平均年齢を調査した結果、会社(株式・有限)を率いる社長の平均年齢は60.8歳となった。前年(2024年)から0.1歳上昇したほか、10年前(2015年:59.2歳)から1.6歳、30年前の1995年(55.4歳)からは5.4歳、それぞれ上昇した。また、集計可能な1990年(54.0歳)以降、35年連続で平均年齢は上昇し、過去最高を更新した。全国的に少子・高齢化が進むなかで、企業を率いる社長の高齢化も進んでいる。
なお、合資・合名の代表社員や理事長、学校長などを含む全法人の平均年齢は61.7歳で、前年から0.1歳上昇するなど、社長年齢と同様に高水準で推移した。
全企業のうち、社長が交代した企業の割合(社長交代率)をみると、2024→2025年の交代率は3.84%となった。前年(3.75%)から0.09pt上昇し、2021年以来、4年ぶりに増加へと転じた。ただ、リーマン・ショック翌年の2009年(4.34%)や、コロナ禍直後で経営の見直しが進み、事業承継の動きが加速した2021年(3.92%)に比べると低水準で、社長年齢の上昇基調を反転させるには至らなかった。

また、交代時における「交代前(引退)」社長年齢は68.5歳(前年比-0.1歳)、「交代後(新社長)」の平均年齢は52.8歳(前年比+0.1歳)となり、交代にともなう社長年齢の若返り幅は15.7歳となった。事業承継を行う社長の引退の早期化が徐々に進む一方で、引き継ぐ新社長の年齢が上昇しており、若返り幅は近年、縮小傾向で推移している。
2025年は、物価上昇や賃上げ圧力、人手不足といった経営課題に加え、インボイス制度の本格運用、ゼロゼロ融資の返済が重なり、中小企業の経営者にとって負担の大きい事業環境が続いた。足元では将来を見据え、後継者を選定する動きが進んでいるものの、実際の承継では「現局面での引継ぎは適切でない」との判断から、交代を先送りする企業もみられた。
他方で、特に収益力が厳しい中小企業では、事業を引き継ぐ人材の確保が依然として難しい企業も少なくない。コロナ禍を経て市場環境や取引構造が変化するなかで、経営者が自社の競争力維持や顧客・金融機関対応の観点から、「自身が退くことで業績や信用力に影響が及ぶ」と交代を躊躇する環境下に置かれた経営者が少なくない点も、結果的に社長交代率が上昇しなかった要因とみられる。
年代別構成比、50歳以上が82.6%、60歳以上も半数越え
2025年時点における社長の年代別構成比をみると、「50代」が30.0%を占め、全年代で最も高かった。2年連続で30%台での推移となったものの、8年ぶりに低下した。他方で、「60代」(27.5%)は前年から0.7pt上昇し、2年連続で前年を上回ったほか、上昇幅は過去15年で最大だった。2025年に新たに59→60歳を迎えた社長が多く、割合を大幅に押し上げた。「50代」の内訳では58歳が最も多く、今後も「60代」の割合が増加していくことが予想される。また、「70代」(19.5%)は2年ぶりに、「80代以上」(5.6%)は12年連続で、それぞれ前年を上回る水準となった。
この結果、「50歳以上」の社長が占める割合は82.6%を占め、2024年(81.7%)から0.9pt増加した。「60歳以上」では52.6%と半数を超えたほか、5年ぶりに前年を上回るなど、社長の高齢化に歯止めはかかっていない状況が続いた。
一方で、「30歳未満」は0.2%、「30代」は2.8%と、30代以下の社長は全体の約3%にとどまった。上場企業の最年少社長は、2024年に東証グロース市場に上場を果たした、スキマバイトサービスを手がける「タイミー(東京都港区)」の小川嶺社長となった(28歳、2025年調査時点)。
業種別、最も高齢は「不動産」、若いのはIT含む「サービス」
業種別にみると、「不動産」がもっとも高齢で62.9歳だった。次いで、「製造」(61.6歳)、「卸売」(61.5歳)と続き、全体平均を上回ったのはこの3業種だった。以下、「小売」(60.7歳)、「運輸・通信」(60.6歳)、「建設」(60.5歳)などは全体を下回る水準で、開発ソフトウェアなどIT企業を含む「サービス」が59.4歳となり、「その他」を除く業種別では唯一60歳を下回る業種となった。
なお、上場企業社長の平均年齢は58.7歳(前年比+0.2歳)となり、年代別では「60代」が構成比43.1%を占め、最多となった。
都道府県別、秋田県が62.6歳でトップ
都道府県別でみると、「秋田県」(2024年比+0.0歳)が62.6歳で最も高かった。次いで、「岩手県」(62.5歳、同-0.1歳)、「高知県」(62.4歳、同▲0.1歳)が続いた。とりわけ、東北地方の6県がすべて全国平均(60.8歳)を上回っている。
一方、最も低かったのは「三重県」59.7歳(同+0.1歳)と「沖縄県」(59.7歳、同+0.1歳)で、「三重県」は9年連続で最も低かった。次いで、「愛知県」(59.8歳、同+0.1歳)が低く、60歳を下回ったのは、「岐阜県」(59.9歳、同+0.1歳)と「大阪府」(59.9歳、同+0.1歳)を加えた5府県だった。総じて、都道府県別の社長平均年齢は東高西低が強い傾向となった。
早期の「事業承継」課題の一方、「シニア起業」増など好材料も
調査の結果、2025年における社長の平均年齢は60.8歳となり、1990年以降35年連続で最高齢を更新した。足元では、コロナ禍以前から官民一体となって推し進めてきた事業承継への啓蒙活動や支援が中小企業にも浸透・波及し、2025年における事業承継では「交代前」年齢が年々低下傾向で推移するなど、早期の事業承継に向けた意識の高まりもみられた。ただ、「体力の限界」を感じやすく、多くの中小企業経営者が引退の検討を始める60代後半、休廃業・解散時の代表者年齢で最も多い70代に該当する年代の割合は拡大している。近年は退職したシニア層の起業も増加しており、こうした層が平均年齢を押し上げている側面もあるものの、全体では早期に事業承継問題に着手・実行できた企業と、経営面や人材面から事業承継ができず、社長の高齢化が続く企業との二極化が進行している可能性もある。
経営者年齢の上昇が継続する局面では、不測の事態による経営空白リスクも高まるため、将来の不確実性に備えた計画的な取り組みの重要性は一段と増しており、より早期の段階から事業承継を見据えた人材育成と承継計画の策定が必要となりそうだ。
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