2月の衆院選で自民党が圧勝し、高市総理が掲げていた「食料品の消費税率を2年間ゼロにする」という公約が注目を集めています。
これにより多くの飲食店は仕入れコストが下がり、大喜び…かと思いきや、「外食は高いから自炊にしよう」と考える人が増え、客足が遠のくという“おっかねー”心配事も。
物価高に加え、家賃相場も年々上昇する中、飲食店には厳しい状況が続いています。
そんな中、店を小さくしてコストを削減し、狭いけど味は美味しい…その名も「狭ウマい店」を関西テレビの秦令欧奈アナウンサーが調査します!
■1軒目の“狭ウマい店”は横幅わずか2.7メートル!
まず訪れたのは天神橋筋商店街。早速街の人に情報を集めます。
【秦令欧奈アナウンサー】「狭いけどウマい店を探しておりまして」
【街の人】「焼き鳥屋さん。カウンターだけの。そこは安くておいしい」
有力な情報をゲットした秦アナ。案内してもらったのは「焼き鳥ガーミー」というお店でした。
【秦令欧奈アナウンサー】「こちらですね。のれんが大きくあります。『焼き鳥ガーミー』。民家で1階が焼き鳥屋さん。横もかなり狭い。多分、家も兼ねてるので、飲食店の分はさらに狭いと思うんだよな…」
横幅はわずか2.7メートル。客席は9人で満席という小さなお店です。
【焼き鳥ガーミー 鎌田直樹さん】「3組入ったら、もうすぐ満席になってしまう。その時にお客さんが来たりして、『すいません』っていうのが、たまにある。それを減らしたいなとは思う」
大人気の天満エリアで昼夜営むこのお店、気になる家賃は8万8000円!天満駅から徒歩5分という好立地ながら、この狭さゆえに家賃を抑えられているんです。
■狭いからこそ「お客さんとの距離が近い」
焼き鳥屋さんですが、ランチタイムのおすすめはチキンカツ定食(800円)。
【秦令欧奈アナウンサー】「ザクザク!中めちゃくちゃジューシーなんですけど、やわらかい。考えられるチキンカツのド直球の最高峰の味」
ひと月の売り上げはおよそ150万円。家賃が安い分、味にコストをかけられるそう。店主の鎌田さんは「狭いことのメリット」について、こう語ります。
【焼き鳥ガーミー 鎌田直樹さん】「メリットはお客さんとの距離が近い。常連さんとしゃべったりするのが楽しい」
狭いからこそ距離が縮まり、会話も弾むのが“狭ウマい店”の魅力のようです。
■「喫煙ブースぐらいの広さ」たった3坪の激ウマカレー屋
続いて秦アナは、新大阪駅構内にある「味の小路」を訪問。ここには30もの飲食店が集まっています。
【秦令欧奈アナウンサー】「ここら辺も広いお店ばっかりなんですよ。…多分見つけました。これですね。モジャカレーさん。お邪魔いたします。だいぶコンパクトですね。横幅は手を広げた分くらい」
【秦令欧奈アナウンサー】「どのぐらいの広さなんですか」
【モジャカレー店長 東島直樹さん】「大体3坪ぐらい。キッチンすべて合わせて」
【秦令欧奈アナウンサー】「3坪!すごいですね、喫煙ブースぐらいの広さですもんね」
このお店ができたのは20年前。カレーなら3坪という狭さでも販売できるだろうと、先代がここでスタートさせたそうです。
【秦令欧奈アナウンサー】「ちなみに家賃はおいくら?」
【モジャカレー店長 東島直樹さん】「だいたい10万円ぐらい。飲食にしては結構激安ですね。お隣のお店だと、(家賃)25~30万円」
■家賃が安いのでボリュームで「お客さまに還元」
モジャカレーの名物は、ネギビーフカレー。たっぷりのネギと国産ビーフをふんだんに使った一品で、総重量は700グラム!ボリューミーです。
【秦令欧奈アナウンサー】「これはうまい。一気に食欲に火がつくスパイス。1回食べて欲しい。本当においしい。これおいくらですか?」
【モジャカレー店長 東島直樹さん】「税込み1200円です」
【秦令欧奈アナウンサー】「このサイズですもんね」
【モジャカレー店長 東島直樹さん】「家賃が低いので、お客さまにより還元できる」
店内は狭いため、カウンターにお客さんが座ると通路はギチギチに。後ろを通る時に、壁にかけた上着を落としてしまう…なんてことも日常茶飯事なんだとか。でも座席数が少ないため、すぐに行列ができる光景も。この行列が、お店の宣伝にもなっているそうです。
■店内は立った1人分のスペース 立ち入り困難な超激狭たこ焼き屋
最後に秦アナが訪れたのは、大阪・梅田の「新梅田食道街」。およそ100店舗がところ狭しと立ち並ぶ、まさに“狭ウマい店”の聖地です。
秦アナが探していると…現れたのは、見るからに超激狭の半円型のお店。
【秦令欧奈アナウンサー】「何が今起こってるんですか」
【たこ焼きシオヤ店長 渡邊浩文さん】「これはたこ焼き屋。広さは、1坪あるかないかですね」
【秦令欧奈アナウンサー】「1坪あるかないか。1人でギリギリぐらいですか?」
【たこ焼きシオヤ店長 渡邊浩文さん】「2人は入れません」
店内の幅を測ってみると、なんと125センチ。そして店員さんの立てる幅はわずか40センチという超狭小スペース。しかも、出入りする時はカウンター下の小さな扉からひざをついて潜るように入るという驚きの構造です。
【たこ焼きシオヤ 常連客】「最初はびっくりした。こんなところで、何屋さんかと思った。たこ焼きや、ほな1回食べてみよ」
■狭ウマい店ならでは “隣の客と乾杯”
秦アナもたこ焼きをいただきます。
【秦令欧奈アナウンサー】「1粒が大きい」
【たこ焼きシオヤ店長 渡邊浩文さん】「大きいでしょ。大玉ですからね。焼きたてです」
【秦令欧奈アナウンサー】「焼き立ていただきました。立ち食いで、たこ焼きを食べるっていうのは、大人の階段上るといいますか。いただきます。口入った瞬間、結構溶けるくらいやわらかいです。これお値段おいくらなんですか?」
【たこ焼きシオヤ店長 渡邊浩文さん】「480円です」
【秦令欧奈アナウンサー】「安い!」
実は、この価格設定には理由がありました。お店をよく知る松島専務は次のように話します。
【株式会社汐屋(たこ焼きシオヤ)専務取締役 松島賢二さん】「480円は、お子さんが食べられるように。たこ焼きだけ売っても利益は出ない。お酒を飲んでいただかないと。この値段でどこも出していない」
ということで、秦アナは隣のお客さんとビールで乾杯することに。
【秦令欧奈アナウンサー】「乾杯!いただきます。うますぎる!いいとこですね。こうやってお友達ができるんだ!これもならではですね。この広さの」
【たこ焼きシオヤ店長 渡邊浩文さん】「コンパクトでね」
【秦令欧奈アナウンサー】「まさに人情のまち!」
■狭いからこそ生まれる味と人間関係
今回の取材では、家賃高騰に負けない“狭ウマい店”の魅力が満載でした。家賃を抑えることで、質の高い食材にコストをかけられる点はもちろん、お客さん同士や店員さんとの距離が近くなることで会話が弾み、新たな出会いや交流が生まれます。
小さな空間だからこそ、大きな味と温かい人間関係が育まれているのかもしれません。
大阪の”狭ウマい店”、あなたも一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
(関西テレビ「newsランナー」2026年2月13日放送)