私たちの生活に欠かせない通信手段、電話。固定電話から携帯電話、さらにガラケーからスマホへと、その進化は止まることを知りません。

そして2026年、その電話を取り巻く環境に大きな変化が訪れようとしています。

■「番号が枯渇」新たに「060」追加へ

国民のおよそ9割が使っていると言われる携帯電話。皆さんの番号の最初の3桁を街で聞いてみると「090」「080」「070」と様々な回答が返ってきました。

「最近は070のほうが多いですけどね。僕らのときはもう090ですね」と40代の方は話します。一方で「僕は080です」と答える若者も。

実はことし、これまであった「090」、「080」、「070」に加えて、新たに「060」が追加されることになりました。

■需要が増え「1~2年で枯渇してしまう」

その背景にあるのが、電話番号の枯渇問題です。

電話番号の割り振りを所管する総務省の八代将成室長によると「1人が2台持つといったニーズだとか、多様なニーズ、需要が爆発的に増えている。(携帯番号の)残りが約500万番号という非常に少ない状況となっています。1年で数百万番号が新たに使われるようになっている状況。順調にそのまま使われると1~2年で枯渇してしまう」とのこと。

ことし7月以降に、順次060から始まる番号が出てくる見通しだということです。

ちなみに090を使っている人はオールド世代なのでしょうか。

総務省の八代室長は「090が古いというところはご指摘のとおりかなと。ただ、番号の効率的な利用のために、各社で解約された番号を再利用して、現在も付番をするので、必ずしも古くから使われている番号かというと、そうではない場合もあるかと」と説明しています。

■3Gガラケーとiモードサービス終了へ

スマホ全盛の陰でなくなるものもあります。

かつて主流だった通称「ガラケー」。3月末でNTTドコモの「3G」のガラケーが使えなくなり、同時にインターネットサービスの「iモード」も終了します。

ガラケーの思い出を街で聞くと「着信メロディーを変えたり、絵文字が出始めたときとか、送り合うのが楽しかった」と懐かしそうに語る人や、「アンテナがあった。伸ばしてた記憶があります。トランシーバーみたいで、ちょっとかっこ悪かった」と笑顔で話す人もいました。

■「明治から続く『電話帳』文化に幕」

さらにことし、店舗や企業の電話番号が調べられる電話帳、「タウンページ」の発行が3月をもって終了となります。

最近あまり使われなくなった「タウンページ」ですが、その歴史はいつからなのか。

取材班が訪れたのは大阪にある「てれふぉん博物館」です。

てれふぉん博物館の 稲谷秀行館長が「こちら収蔵庫で、いろんな電話機が並んでいるんですけど、収蔵庫と展示室を合わせて、電話機が900台程度入ってます」と説明してくれました。

館長が40年以上かけて集めた、戦前からの古い電話機を中心に、電話にまつわる資料が数多く展示されています。

■「タウンページ」の元祖とも言える電話帳も

そしてここに「タウンページ」の元祖とも言える電話帳が保管されていました。

「これが最初の電話帳と言われてるもの(の複製品)になります」と館長が見せてくれたのは明治時代の電話帳。「いろは順じゃなくて、電話番号順に並んでます。1番が東京府庁(東京都庁の前身)。ここに渋沢栄一さんがいらっしゃいますね」と説明してくれました。

明治23年の電話帳は紙1枚に収まる程度の200軒に満たない加入件数でした。明治25年になると冊子となり、初代総理大臣伊藤博文の名前も掲載されていました。

■電話機の普及が進むと電話帳も分厚く

そして昭和になって、電話機の普及が進むと電話帳も分厚くなっていきました。

「これが日本で一番分厚い電話帳と言われています。昭和24年の12月、これ以降は分冊になってきます。使えないですよね、こんな分厚いの」と館長は笑います。

その時代の世相が映し出される電話帳。

「タウンページがなくなるのはどんな思い?」という質問に対して、館長は「さみしいですけど、時代の流れでしょうがないのかな…これを作るのは大変だろうなと思うので、利用されなくなったらしょうがないですね」と答えました。

■「最盛期 年12億回の利用も」104番号案内サービスの終焉

3月でなくなるサービスは電話帳だけではなく、個人や企業、お店の電話番号などを案内してくれるNTTの104番も終了することになりました。

「104です。詳しいご住所を教えていただけますか」

インターネットの普及していない時代に、分からない電話番号を調べる手段として、電話帳とともに、人々の生活を支えてきました。

【NTT西日本 基盤サービス部門・山口昌宏担当部長】「番号案内は明治23年に日本での電話サービスの開始と同時に開始しました。平成元年には年間12億8000万件ご利用いただきまして、時代の流れではありますが終了するという重みを感じております」

最盛期には年間12億回だった利用者も、近年およそ99%減少するまで利用が落ち込みました。

街で104について聞いてみると、若い世代では「分からん」「聞いたことはないです」「救急車?」と認知度の低さがうかがえます。

一方、70代の女性は「昔は誰かの電話番号を調べるのに、お店とか…。なんでもなくなっていきますね。私たちもなくなっていくわ!」と寂しそうに話しました。

■「人ならではの良さ」の104 「笑声(えごえ)で応対」が秘訣

番号案内の終了まであとわずか。西日本にある番号案内センターの1つを取材させてもらえることになりました。

番号案内の104センターは、およそ150人のオペレーターが全国からの問い合わせに対応しています。

【オペレーター】「はい、104の逵です」

普段電話越しにしか聞けない声。この道31年、電話番号案内を続けてきたベテランの逵(つじ)さんです。

【オペレーター歴31年 逵幸代さん】「声しか伝わらないですよね、電話って。声は『笑う』『声』の笑声(えごえ)で応対する。早く迅速に」と辻さんは仕事の秘訣を語ります。

■「ラストコールを楽しみに」オペレーター歴31年の逵さん

この仕事には人ならではの良さがあったそうです。

「お客さんと言っても、沖縄の方から、北陸の方、関西の方とか、いろんな方と話せて、(電話口の)お客さんの後ろから、音が聞こえるんですよ。カラスの鳴く音とか、ドア閉める音とか、ここにいるのに色んな人とつながってる感じが、本当に良かったです」と逵さんは目を細めます。

番号案内の終了には驚きがあったものの、ラストコールを楽しみにしています。

【オペレーター歴31年 逵幸代さん】「どんなお客さまが入ってくのかなって、一生の最後のお客さまなので、期待とドキドキ感。3月31日、最高な日にしたい」

時代の流れに合わせ変わりゆく電話事情。2026年は電話にとって大きな転換点となりそうです。新しく「060」が登場する一方で、長く親しまれてきたサービスが次々と終了します。

時代の流れに合わせ変わりゆく電話事情。未来の電話はどれだけ便利になっているのでしょうか。

(関西テレビ「newsランナー」2026年2月12日放送)

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