病院の経営悪化が問題となる中、医療機関の収入となる診療報酬について、物価高や賃上げに対応するため2027年から多くの医療機関で初診料が114円増える見通しです。
2年に一度改定される診療報酬について、厚生労働省の協議会は2025年度の改定内容をまとめました。
全国にある病院の7割が赤字となる中、物価高や賃上げへの対応が柱となっていて、新たに「物価対応料」を設けるほか医療機関の賃上げの評価料も拡充されます。
これにより自己負担3割の患者の場合、初診料は2026年6月からは57円、2027年6月から114円増え、再診料は2026年6月から21円、2027年6月から39円増える見通しです。
まずは2026年の6月から支払う外来の初診料について見ていきます。
現在、外来の初診料は2910円です。
そこに、2026年の6月から新たに「物価対応料」20円がプラスされ、さらに、賃上げに取り組む医療機関への「ベースアップ評価料」170円もプラスされます。
合わせて190円のプラスですが、負担としては3割負担で57円増えるということになります。
更に、2027年6月も同じように20円と170円上がり、2026年からの比較では40円と340円の上乗せ、自己負担としては114円増すということになります。
そして、初診料以外の増加もあるようです。
入院費の増加に関しては、2026年6月から食費1食当たりでプラス40円、光熱水費はプラス60円上がるということです。
今回の改訂ですがこれだけではなく、いろいろと改定があります。
その中で厚労省が「68歳の男性が急性心筋梗塞で手術・入院した場合」の例を挙げました。
救急搬送され手術し、入院がICUと一般病棟あわせて12日間の場合、2026年6月からの自己負担額は36万3930円になるという試算です。
高額療養費制度などもあるため、実際は変わってくるかもしれませんが、これまでよりも2万円ちょっと増えるという試算も出ています。
厚労省の3割負担の対象拡大など議論されている中ですが、今回の診療報酬の改定、病院に行く側としてはどうでしょうか。
SPキャスター・柳澤秀夫さん:
病院に行く側としては高齢者が結構多いですよね。高齢者といえば年金世代ということで、わずかのように見えますが、いま、ギリギリの年金で暮らしている人たちにとっては上がる分が厳しいものになりますし、これが診療控えになってはいけませんよね。
高いから行くのをやめようかなとなったら元も子もないですよね。
一方で、診療報酬を上げないといけない事情があります。
この改定、物価高や賃上げ対応が柱になっていますが、背景にあるのが「病院の危機」です。
現在、一般病院は72.7%が赤字だという背景があります。
SPキャスター・柳澤秀夫さん:
病院がなくなってしまったら困るのは我々です。ただ、赤字のところは72%でも黒字のところもあるんです。病院によっても、自由診療で診療科目も一般的なものから美容整形のようなものまでいろいろありますよね。そういうことを合わせて考えて、本当に医療を必要とする人間にとって必要な診療科目が適切な医療を受けられるようにするということを考えると、医師不足の問題もあるし、それから、これから先本当に病院の経営をどうサポートしていくかも含めてトータルで医療の問題を考えていかないと、解決策というのは見えてこない気がします。