災害時に自衛隊が行う炊き出し。御殿場市の板妻駐屯地では1月に炊事競技会が行われ、どんな状況であっても被災者の身も心も温める炊き出しが出来るよう日ごろの訓練の成果を競った。

災害時の重要任務“炊き出し”

御殿場市にある陸上自衛隊・板妻駐屯地。

ここで活動する第34普通科連隊は災害が起きた際、被災地へ救援に入る実働部隊で、行方不明者の捜索や救助はもちろん、住民たちに温かなご飯を振る舞う炊き出しも大切な任務の1つだ。

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第34普通科連隊長 兼 板妻駐屯地司令の鈴木攻祐1等陸佐は「被災された人や災害現場で活動している人たちの心や気持ちも温められるような温かくておいしい食事を提供することは、大きな意味で国の平和や安全に直結すると思う」と強調する。

プライド懸けた競技会

板妻駐屯地では毎年、野外炊事競技会が行われていて、2026年は7つの中隊が参加。

ルールは与えられた食材を使って制限時間内に50人分の料理を作ること。

主菜のメニューは各チームで考えなければならない。

ディフェンディングチャンピオンの第2中隊が手がけていたのは豚の生姜焼き。

タレにこだわり、一般的な調理法では使用しないウスターソースを混ぜるという。

一方、隣のブースで調理に当たる重迫撃砲中隊は“鶏のトマトクリーム煮”で王座奪還を狙う。

藤岡泰介 炊事長によれば「災害派遣での炊き出しでどんな状況、場所でも簡単に再現できる料理」で、とろみを出すためフランス料理でよく用いるブールマニエを使ってコクのある味わいを生み出すと意気込んだ。

弦間アナも審査に参加

各中隊が試行錯誤しながら作業を進めること3時間。

競技会は最終盤を迎え、審査会場には次々と料理が運ばれていく。

第2中隊の安河内将宏 炊事長が「自分たちが日頃錬成している成果を十分に発揮できたので、勝っているとは思う」と自信をのぞかせれば、重迫撃砲中隊の藤岡炊事長も「完璧。非常にビジュアルもよく自信はある」と胸を張った。

各中隊が調理した料理は、どのチームが作ったかは伏せた上で駐屯地の幹部や地元の住民が味を審査。

審査員のひとりは「(炊き出しは)おいしければ良いと思うので、いろいろな種類があっても良いと思う」と口にした。

栄冠はどの部隊に?

そして、いよいよ結果発表の時。

ただ、優勝の栄光を手にしたのは"意外な伏兵"第5中隊で、連覇が期待された第2中隊は無念の6位。

自信を持っていただけに安河内炊事長は「悔しい。本当に悔しい。正直勝てると思っていた」と肩を落としつつ、「今回の敗因を究明して、速やかに処置・対策をして次の炊事競技会では絶対に勝ちをもぎ取ります」と来年を見据え、優勝にはわずかに及ばず2位だった重迫撃砲中隊の藤岡炊事長も「あと一歩だったが、帰ってから振り返って反省したい」と前を向いた。

炊事競技会の様子(2026年1月)
炊事競技会の様子(2026年1月)

有事の際に被災者の身も心も温められる炊き出しをいかなる状況でも提供できるように…隊員たちはきょうも訓練に励んでいる。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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